テレーロ　６時５０分打法！江頭ならぬデーブも太鼓判

[ 2012年2月11日 06:00 ]

　江頭２：５０もビックリ！？楽天の新外国人選手、ルイス・テレーロ外野手（３１）が「６時５０分（６：５０）打法」でフリー打撃に登場し、順調な仕上がりを見せた。投手方向へ寝かせたバット、踏みだした左足が時計の６時５０分を指す独特なフォーム。昨季メキシカンリーグでトリプル３を達成した大砲は、１１日の紅白戦（久米島）で実戦デビューする。

　独特のフォームから快音が響く。新外国人選手のテレーロがバットを右肩の上に高く掲げ、ヘッドを極端に投手方向へ寝かせた。左足はやや踏み出している。Ｋスタ宮城のホームベンチである三塁側から見るなら、フォームは逆「く」の字。バットを時計の長針、左足を短針に置き換えれば、６時５０分を指している。江頭２：５０もビックリの「６時５０分打法」だ。

　「昔からこういう感じのフォームだったよ。これが俺のスタイル」

　投手側へバットを寝かせるフォームは、９５、９８年にロッテに在籍し、９１年メジャー首位打者のフランコらがいるが、大久保打撃コーチは「ヘッドが使えていいと思う」と太鼓判。「外国人選手は日本の投手の変化球で崩されやすいけれど、彼はタイミングを取るのが上手。自分でアジャストできる」と６時５０分フォームの効果を口にした。

　昨季はメキシカンリーグのレッドデビルズでプレー。打率・３９０、３８本塁打、１１０打点、３０盗塁をマーク。トリプル３を達成して最優秀選手賞、打点王に輝いた。岡山県倉敷市の昨秋キャンプのテストで星野監督がわずか７分で即決した掘り出し物だ。この日のフリー打撃では４１スイングのうち安打性の当たりは１５本で打率・３６６。左右にまんべんなく打ち分けた。田淵ヘッドコーチは「外国人は引っ張る選手が多いが、日本で成功するには広角に打てることが大事」と分析した。

　売りは打撃だけではない。この日の守備練習でも左翼からワンバウンドで正確に捕手へ返球してみせた。俊足も魅力で、星野監督は「スタッフから、最初の１０メートルは（昨季５２盗塁の）聖沢と同じスピードを持っていると聞いた」と期待をかけた。

　今キャンプはアーリーワークにもすべて出席。「今のチームの方針に自分が合わせるだけ」と日本の野球に溶け込もうとしている。きょう１１日の紅白戦（久米島）で「６番・左翼」で実戦デビュー。パワフルな打撃で相手投手にスリルを与える。

　≪テレーロあらかると≫

　◆生まれ　本名はルイス・エンリケ・テレーロ。１９８０年５月１８日、ドミニカ共和国バラオナ州生まれの３１歳。バラオナ高校出。身長１メートル９０、体重９３キロ。右投げ右打ち。

　◆球歴　９７年にアリゾナ・ダイヤモンドバックス入り。０３年に大リーグデビュー。０６年オリオールズ―０７年ホワイトソックス―０９年米独立リーグ・ティーボーンズ、メキシカンリーグ・カウボーイズ。１０年はレッズ、昨季はメキシカンリーグのレッドデビルズ、オフにロッキーズとマイナー契約も、楽天へテスト入団。メジャー通算５年間で２４３試合出場、打率・２３４、１４本塁打、５２打点、１７盗塁。

　◆日本語勉強中　来日前から知っていた単語は「仲間」。４、５年前に日本人の友人から教えてもらったという。現在は「オッス」「ありがとう」「じゃあね」「元気ですか」などレパートリーは日に日に増えている。

　≪過去の珍打法≫

　▼梨田昌孝（近鉄）　打席内で両腕を細かく動かすことから「こんにゃく打法」で親しまれた。プロ通算１７年で１３２３試合に出場し打率・２５４、１１３本塁打、４３９打点。

　▼竹之内雅史（阪神など）　バットを極端に寝かせるフォームで「猫背打法」などと呼ばれた。プロ通算１５年間で打率・２４９、２１６本塁打、６０６打点。

　▼フリオ・フランコ（ロッテ）　バットの先端を投手に向ける独特のフォームで安打を量産した。ロッテでは９５、９８年の２年間で２５８試合に出場し、打率・２９８、２８本塁打、１３５打点。