笑顔はじけた!石巻工「ひたむきプレー」届ける

[ 2012年1月28日 06:00 ]

「あきらめない街・石巻!!その力に俺たちはなる!!」横断幕の前で喜びを爆発させる石巻工ナイン

 吉報を受け、石巻工ナインは高々と帽子を空に放った。カメラマンの求めに応じ、何度もガッツポーズを繰り返す。どの顔も笑顔。震災から10カ月。こんなに心の底から笑ったのは初めてだ。

 「スッキリしました。高校で野球をやっている以上、甲子園は夢の舞台。震災枠と思われるだろうけど、自信を持って一生懸命、ひたむきにプレーしたいです」と阿部主将はうれしそうに話した。

 昨年の3月11日。練習中だったナインは避難者800人とともに水も電気もない校舎で3日間を過ごした。その間、口にしたのはアメ玉1個のみ。野球道具を失ったため、その後もヘドロを除去するための泥かき作業に終われた。それが10カ月後に夢の甲子園。阿部主将は「きょうのことは一生忘れません。生きていてよかった」。実感だった。

 野球部員は毎年、遠征費を捻出するために郵便局で年賀状配達のアルバイトをするが「今年は配っていても町が静かだと感じた」とナインは口をそろえる。石巻工の出場は、つらい思いをした石巻市民にとっても久しぶりの明るいニュースとなった。

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2012年1月28日のニュース