中畑監督「Gキラー」期待!村田の人的補償で藤井獲得

[ 2012年1月12日 06:00 ]

村田の人的補償でDeNAに移籍が決まった巨人の藤井

 中畑DeNAに「Gキラー」が加わった。DeNAは11日、フリーエージェント(FA)権を行使して巨人へ移籍した村田修一内野手(31)の人的補償として、巨人から藤井秀悟投手(34)を獲得すると発表した。ヤクルト時代の2001年に巨人から5勝を挙げるなど、かつて「巨人キラー」の異名をとった左腕に、「打倒・巨人」を掲げる中畑清監督(58)は先発ローテーション入りを期待。4年連続最下位からの脱出に、貴重な左腕が加わる。

 自然と緩んだ中畑監督の口元から熱を帯びた言葉が発せられた。待望の即戦力、先発左腕の獲得。藤井に対する期待は大きかった。

 「試合をつくれる左の先発ですから。“Gキラー”と呼ばれた期間は(日本ハムに移籍したため)短かったけど、うちでもそうなってほしい。とにかく、巨人戦は目の色を変えていくし、熱い試合をしたいんだよ」

 藤井は昨季の1軍登板は1試合に終わったものの、プロ12年間で70勝69敗、防御率3・79。ヤクルト時代の01年には巨人戦で5勝を挙げ、チームをリーグ優勝に導くと同時に、自身も14勝で最多勝のタイトルも獲得した実績がある。

 昨季、チームの先発左腕の勝利は山本、リーチ、真下、ブランドンの4投手でわずか5勝。先発右腕は前広島のジオの獲得で、三浦、高崎、国吉ら頭数はそろったが、一方で計算できる先発左腕の獲得が急務だっただけに、指揮官が手放しで喜ぶのも無理はない。

 「(巨人に)移籍した1年目はいい成績を残しているんだよな。その辺にも期待したい」。古巣・巨人に対するライバル意識も強いだけに、巨人戦通算13勝の左腕の加入は心強い。強気に内角を突く直球、打者の打ち気をそらす外の変化球など、巧みな投球術は健在だ。

 高田GMは藤井の獲得について、指揮官の意向を反映させたと説明した上で、「左投手で先発ができて、長い回を投げられる人でと考えた。ヤクルトでも日本ハムでも実績がある。はまったときは凄い投球ができる。ベテランだし経験も豊富」と評した。

 藤井は現在、自主トレでハワイに滞在中。巨人を通し「巨人軍を離れることは残念ですが、横浜という新天地で新たなチャンスをつかみ、恩返ししたい」とコメントした。

 ▼巨人・原沢敦球団代表兼GM 生まれ変わった横浜球団で投手として新たなスタートを切り、これまで以上の活躍で一緒にセ・リーグを盛り上げてほしい。

 ◆藤井 秀悟(ふじい・しゅうご)1977年(昭52)5月12日、愛媛県生まれの34歳。今治西では3年のセンバツ甲子園に出場しベスト4。早大を経て、99年ドラフト2位でヤクルト入り。2年目の01年には14勝で最多勝を獲得。チームの日本一に貢献し、ベストナインに輝いた。その後、07年オフに日本ハム、09年オフに巨人へと移籍した。1メートル75、86キロ。左投げ左打ち。

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