中畑監督初カミナリ 新人に「一生懸命声出したか?」

[ 2012年1月10日 06:00 ]

新人の高城(左)にカツを入れる中畑監督

 DeNAの中畑清監督(58)が9日、神奈川県横須賀市のベイスターズ球場で始まった新人合同自主トレを視察した。練習中にはドラフト2位の高城俊人捕手(18=九州国際大付)に初カミナリを落とすなど、早くもエンジン全開。優しさと厳しさを兼ね備えた指揮官が金の卵を愛情たっぷりに育て上げ、4年連続最下位のDeNAを立て直す。

 元気があれば何でもできる。中畑監督は、ウオーミングアップを終えた新人11人を集め、捕手の高城を名指しして指摘した。

 中畑 高城、おまえ一生懸命声出したか?

 高城 いえ、まだ出ます。

 中畑 じゃあ出せよ!アピールすることが大事なんだから!

 新人合同自主トレ初日で緊張することを差し引いても、納得がいかなかった。視察に来た春田真オーナーと見守ったウオーミングアップ。大声を出してアピールしない新人に首をかしげた。「声が出てないな。俺はこういうところで目立っていたんだよ」。育成選手を含めた11人のうち、高校生は8人。若さが感じられない新人にカツを入れた。「ウチはゼロからのスタート。年齢に関係なくいいものは使う。みんなの気持ちの中に“使ってくれ”というアピールがないとダメ」と一気にまくしたてた。

 自身の経験があるからこそ、口を酸っぱくして言える。75年ドラフト3位で巨人に入団。つわものぞろいの球団で、声がかれるほどアピールし、定位置を獲得した。「みんなからは“プロに入って一番伸びた選手だ”と言われたね。野球は後でうまくなった。今はアピールしないと」。中畑監督の標的となった高城も「大きな声を出して不利なことはない。捕手なので、どんどん大きな声を出していきたい」と気持ちを新たにした。

 それでもジャージー姿とあっては、まだ本気モードとはいかない。「早く沖縄にいきたいな。肌と肌を合わせながら一緒に汗をかきたい」。58歳の新人監督は、選手とともに成長を重ねながらDeNAを強くする。

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2012年1月10日のニュース