先輩上原と似た歩み 大体大・松葉 最速149キロ左腕は「阪神ファン」

[ 2012年1月2日 07:20 ]

大体大の松葉貴大

2012年ドラフト候補

 “雑草左腕”が関西アマ球界をリードする。大体大・松葉は1メートル80、75キロの恵まれた体格から最速149キロの直球を投じる本格派。「今年(2011年)は春秋と全国に出ながら勝てない悔しさを味わった。来年こそは全国で優勝したい」と決意新たにドラフトイヤーに臨む。

 大学には外野手として入学。大学の先輩・上原(レンジャーズ)と似た道を歩み、ドラフト上位候補に成長した。

 東洋大姫路では1年秋から背番号1を背負うも、1年冬の投げ込み過多で左ひじ剥(はく)離骨折。「野球を辞めようか」とまで思い悩んだ末、2年秋から外野手に転向した。3年春センバツでは「2番・右翼」として4強入りも、投手として脚光を浴びることはなかった。

 それが大学1年春のリーグ戦中に左投手対策として打撃投手を務めたことで、中野監督に見いだされた。1年秋から投手に再転向すると3年秋までに22勝。東海大仰星で投手としての芽が出ず外野を兼任し、大体大で頭角を現した上原とは“回り道”した末に大学で台頭した点が共通する。

 ただ、本人は「上原さんと自分では次元が違います」と自嘲する。「上原さんは大学時代、ほとんど直球だけで相手を抑えていたと聞きました。今の自分は直球だけではとても無理」とレベルの差を痛感。そして今オフの課題には直球の強化を掲げた。走り込みとウエートトレーニングで下半身を鍛え上げ、球質、制球力の向上を図る。

 進路はプロを希望し、「小さい時から阪神ファン」と話す。11月の明治神宮大会は初戦敗退も、東北福祉大相手に8回0/3を投げ3安打1失点。自己最速を更新する149キロを投じてスカウト陣の評価をさらに上げた。挫折の味を知る苦労人・松葉が、“ドラ1ロード”を駆け上がる。

 ◆松葉 貴大(まつば・たかひろ)1990年(平2)8月14日、兵庫県姫路市出身。中寺小3年から「香寺クラブジュニア」で野球を始め、香寺中では「姫路ボ-イズ」所属。東洋大姫路では1年秋から背番号1でベンチ入りも、左ヒジ痛で2年秋から外野手。3年夏は初戦で北条に敗退。大体大では1年秋に投手としてリ-グ戦デビュ-。最速149キロ。50メートル走6秒2、遠投100メートル。1メートル80、75キロ。左投げ左打ち。

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2012年1月2日のニュース