西武 野田 支え続けた2番手捕手の11年「もう二塁まで届かないよ」

[ 2011年12月27日 09:06 ]

 野田の目は潤んでいた。11月23日。西武ドームでのファン感謝イベントで、ナインの手によって胴上げされた。「ファンの皆さん、本当にありがとうございました。これまで支えてくれた、家族のみんなにも感謝したいと思います」。スピーチでも感極まった。

 11年間、レギュラーにはなれなかったが、不可欠な「2番手捕手」であり続けた。正捕手の伊東、細川、銀仁朗をいつも支えた。ベンチから戦況を見つめ、捕手として必要な観察眼を磨いた。日本シリーズには3度出場した。安打は打てなかったが、巨人を下した08年の最終戦では、チームの勝利につながる値千金の四球を選んだ。

 昨年、右肩が悲鳴を上げた。「もう元通りに投げるのは難しいかもしれない。二塁まで届かないよ…」。

 2番手捕手でいられなくなった。チームが3位争いをしていた今年9月。現役引退を決断した。「西武でプロ生活を送れて本当に良かった」。11年間に悔いはなかった。来年からは観察眼を生かし、スカウトに転身する。チームに不可欠な存在になれる選手を、自らの目で発掘する。

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2011年12月27日のニュース