キヨシ流改革第1弾!DeNA、春季キャンプは6勤1休

[ 2011年12月17日 06:00 ]

ミーティングを終え、笑顔の中畑監督(左)と高木豊ヘッドコーチ

 これがキヨシ流だ――。DeNAの中畑清新監督(57)が16日、来年2月の沖縄・宜野湾キャンプの大改革を打ち出した。横浜市内の球団事務所で高田繁GM(66)、新就任した高木豊ヘッドコーチ(53)とトップ会談を行い、4勤1休だった練習日程を6勤1休へ切り替えることを決めた。キャンプの休日は実質3日になる。夜間練習の復活も明言しており、4年連続最下位からの脱出へ、12球団トップ級の練習量で鍛え直す。

 いつもの陽気な笑顔はなかった。高田GM、高木ヘッドと約2時間の3者会談を終えた指揮官。自ら球団事務所の記者室に足を運んで、来春の地獄のキャンプを予告した。「キャンプは月曜が休みと思ってもらえれば」と6勤1休を基本とすることを明かした。そして「今しかできない。練習量は増えて当たり前でしょう」と断言した。

 就任後、初めてとなる球団事務所での実務だった。よほど充実したミーティングだったのだろう。その頬は紅潮していた。今年6勤1休制を導入したのは、中日1球団のみ。かつては中日も今年の横浜と同じ4勤1休だったが、04年に就任した落合前監督が沖縄・北谷でのキャンプスケジュールを6勤1休に変えた。「シーズンは6勤1休だろ」と鍛え上げ、8年間でリーグ優勝4度、日本一1度という常勝軍団をつくり上げた。

 中畑監督も同じ考えだった。「そういうペースに慣れてほしい。ケガ人続出は困るけど」。4年連続最下位のチームが今までと同じことをしても変わらない。夜間練習の導入も明言しており、練習量は格段に増える。日程上、休日はわずか3日しかない可能性が高い。イメージは79年秋、巨人時代の指揮官が鍛えられた長嶋監督による地獄の伊東キャンプだ。

 中畑監督の言葉はまだマイルドだった。言いづらい部分を高木ヘッドが代弁した。「(DeNAは)弱いですよね。選手の意識もどうなっているか。弱いなら弱いなりに厳しさを持たないと。自然な考え。われわれ(コーチ)も休みはない」。休日返上さえ口にした。13年間在籍したOBだからこそ出る辛らつな言葉は、チームへの愛情の裏返しだ。

 この日、来季の1、2軍体制が正式発表された。参謀役に就任した高木ヘッドは大洋、横浜で中心選手として活躍。04年のアテネ五輪では守備走塁コーチとして、長嶋茂雄監督の代理で日本代表の指揮を執った中畑ヘッドコーチを支えた。「弱い」という現状をはっきり指摘した高木ヘッドが「練習量を増やす」という方針を支持するのは当然だった。

 6勤1休で鍛え上げた後は、これも12球団最多タイの20試合を組んでいるオープン戦が待っている。中畑監督は「キャンプも2週間たてば、ある程度は見えてくる。競える形にしたい」と話した。DeNAの春は、過酷かもしれない。だが、それが変革への第一歩なのだ。

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