これが最大級の誠意…巨人、杉内に背番号「18」打診

[ 2011年12月17日 06:00 ]

杉内の代理人と交渉を終えて大勢の報道陣に囲まれる巨人・原沢球団代表

 巨人の長嶋茂雄終身名誉監督(75)と歴代18番が、ソフトバンクからFA(フリーエージェント)宣言した杉内俊哉投手(31)のエース就任に太鼓判を押した。巨人は杉内の代理人である酒井辰馬弁護士(45)と16日、都内のホテルで2度目の交渉を行い、巨人から前回提示した4年総額20億円に加え、「背番号18」の打診が行われた。

 心強いOBたちのお墨付きだった。生え抜きのエースが背負ってきた番号を譲るため、原沢敦球団代表兼GMが動いた。まずは長嶋終身名誉監督に相談。「結構です。絶対に獲りたい選手。ぜひ欲しい」と手放しで了承を得た。さらに堀内恒夫氏からは「長い間空いている。いい機会かもしれませんね」。桑田真澄氏からも「結構です。頑張ってください」と、それぞれ快い返事をもらい、杉内サイドに伝えられた。

 同様に相談を受けた原監督も球団の意をくみ、58年から9年間18番を背負った、自身の恩師である故・藤田元司氏の夫人に自ら連絡し、快諾を得た。巨人77年の歴史の中で18番は、わずか7人しかつけていない。杉内が背負えば初の移籍組となるが、原監督も「そういう価値のある選手です」と賛同し、同じくその言葉が伝えられた。

 酒井弁護士によると、交渉中に杉内本人に電話で報告したところ「本当ですか?」と絶句し、大感激していたという。8日の第1回交渉時に杉内サイドから「残りの野球人生の全てを受け止める覚悟をみせてほしい」と懇願された巨人側の答えが、これだった。酒井弁護士は「金銭的なものはこちらも毛頭考えていなかった」とした上で「120%のお答えをいただいたのかなと思っている」と満面の笑みをもらした。

 杉内は14日に古巣のソフトバンクと残留交渉に臨み、年俸変動制ではなく固定制で、巨人と同じ4年総額20億円の提示を受けた。「どこのマウンドで、どの人たちと野球をすれば打者に無心で投げられるのか。週明けの早い時期に(結論を)表明できれば」と酒井弁護士。18か、47か。人生の岐路に立ったエースの決断は、もうすぐ下される。

 ▼巨人・原沢球団代表兼GM 私たちが用意できる答えが背番号18でした。野球人生をかける彼にはこれしかないと思いました。

◆巨人の歴代背番号18◆

 スタルヒン 35年
 前川 八郎 36~38年
☆中尾 碩志 39~42年、46~57年
 近藤 貞雄 46年
 藤田 元司 58~66年
 堀内 恒夫 67~84年
 桑田 真澄 86~06年

 ※プロ野球は36年開幕。46年はシーズン途中に近藤から中尾に変更

続きを表示

2011年12月17日のニュース