新年の誓い成就!マー君と嶋“あうんの呼吸”で初受賞

[ 2011年12月14日 06:00 ]

バッテリー賞受賞に笑顔の(後列左から時計回りに)田中、吉見、谷繁、嶋

 スポーツニッポン新聞社が制定する「2011プロ野球最優秀バッテリー賞」(協力・社団法人電池工業会)の表彰式が13日、東京都文京区の東京ドームホテルで行われた。パ・リーグは、最多勝など投手3冠に加え沢村賞にも輝いた楽天・田中将大投手(23)と嶋基宏捕手(27)、セ・リーグは中日・吉見一起投手(27)と谷繁元信捕手(40)のバッテリーがそれぞれ受賞。スポーツニッポン新聞社の森戸幸生社長から各選手に賞金100万円などが贈られた。

【歴代バッテリー賞受賞者】

 全幅の信頼を寄せる嶋との受賞に喜びは格別だった。終始笑顔の表彰式。田中は同期入団の正妻に感謝の言葉を並べた。

 「この世界に入ってから、ずっとバッテリーを組んできた。僕のわがままも受け止めてくれる。今年もとんでもないワンバウンドを前にはじいてもらって助かりました」

 新年に誓いを交わした。嶋から届いた年賀状には「バッテリー賞を獲ろう」と書かれてあった。約束通りの受賞。共同作業で手にした賞に「狙っていたので獲れてよかった」と喜んだ。

 今季の田中は嶋と23試合でバッテリーを組んで18勝2敗。防御率0・998と驚異的な数字を残した。他の捕手とのコンビは5試合で1勝3敗、防御率2・57。田中と嶋がいかに互いを理解しているかが分かる。その理由は「あうんの呼吸」にある。2人は試合前ミーティング以外でも常に意見交換する。ロッカールームが隣同士とあって、登板日以外も配球について話し合う。だからこそ、試合では多くを語らなくとも最大限の力を発揮できる。田中は「嶋さんは言わなくても感じ取ってくれる」と安心感を抱いている。

 リーグ最高のバッテリーで今季は貯金を16もつくった。しかし、東日本大震災の被災球団として大きな期待を背負いながらチームは5位に低迷した。使命感を感じる2人は「来年こそは東北のファンのためにも優勝しないといけない」と口をそろえた。

 2人の活躍なしに球団史上初優勝は実現しない。そして、悲願達成の先には再びコンビでの受賞が見えてくる。

 ◆最優秀バッテリー賞 投手だけでなく、縁の下の力持ちともいえる捕手にもスポットを当てて球界最高の「バッテリー」を表彰するもの。投手は先発、救援で1年間を通じて活躍したことを最低条件とし、先発は10勝、リリーフは20セーブが目安。捕手はリード面や盗塁阻止率などを基準に選考される。今年で21回目を数え、91年の第1回の受賞者はセ・リーグが西村―古田(ヤクルト)、パ・リーグが工藤―伊東(西武)。

続きを表示

2011年12月14日のニュース