中畑DeNA組閣着々…高木ヘッド、白井2軍監督昇格も

[ 2011年12月8日 06:00 ]

監督就任へ気分は絶好調!?自転車で出かける中畑清氏

 横浜DeNAは9日にも元巨人の中畑清氏(57)に監督就任の正式要請を行うことが7日、分かった。受諾するのは確実で、細部の交渉を詰めた上で正式発表の運びとなる。コーチ陣の組閣作業も進んでおり、ヘッドコーチには04年アテネ五輪の日本代表コーチとして中畑氏とともに戦った横浜OBの高木豊氏(53)を起用。中畑氏と同じ駒大出身の白井一幸2軍監督(50)の昇格も検討しており「横浜色」と「中畑色」を織り交ぜたコーチ人事になりそうだ。

 もう同じ失敗は繰り返さない。監督就任が確実だった元西武投手の工藤公康氏との交渉が土壇場で決裂。コーチ人事や選手補強をめぐり高田GMと工藤氏の間で意見が食い違ったことが原因となったが、急きょ白羽の矢を立てた中畑氏を迎えるにあたって同氏が指揮を執りやすい環境づくりに重点を置き、水面下でコーチ人事の組閣作業を急ピッチで進めている。

 参謀役のヘッドコーチには横浜OBの高木氏の招へいが確実だ。現役時代は中心選手として活躍し、加藤博一、屋鋪要との「スーパーカートリオ」は大きな話題を呼んだ。04年アテネ五輪では中畑氏と一緒に日本代表コーチを務めた間柄。本戦では脳梗塞で倒れた長嶋茂雄監督に代わって、指揮を執った中畑氏をサポートし銅メダル獲得に貢献した。

 都内で取材に応じた中畑氏は一般論として監督業について言及。「監督というのは孤独。コーチの人たちにどれだけ支えてもらえるかが大事」と話したが、高木氏は最適な人選。中畑氏の目指す野球を理解し、横浜OBでチーム事情にも詳しい。さらに昨年まで投手コーチを務めたOBの野村弘樹氏(42)の現場復帰も濃厚。両リーグ最低のチーム防御率3・87に終わった投手陣を立て直す役目を任せる。

 「横浜色」だけではない。駒大の後輩でもある白井2軍監督を昇格させるプランも浮上している。日本ハムでヘッドコーチを務め、大リーグのコーチも経験。今年から横浜で2軍を指揮し、中畑氏をサポートする人材としてうってつけだ。また中畑氏、平田薫氏と「駒大三羽ガラス」と呼ばれ、巨人で引退後は中日や台湾ラニューなどでコーチを務めた二宮至氏(58)の外野守備走塁コーチ就任も確実だ。

 中畑氏は6日に横浜市内のホテルで高田GMと会談。詳細は明かさなかったが「俺はもともと条件がどうのとか苦手。現役時代の契約更改も1、2分で終わった」と監督を引き受けるにあたり、条件面を持ち出すことはない。DeNA側はあす9日にも正式な監督就任要請を行う見通しだが、組閣も順調に進み、中畑氏の受諾に支障はない。

 4年連続最下位という厳しいチーム状況にも中畑氏は「若くて発展途上のチームだから強くしていくのが楽しみ。俺は根っからのプラス思考。マイナスとは思ってない」と元気いっぱいに話した。間もなく「中畑DeNA」が誕生する。

 ◆高木 豊(たかぎ・ゆたか)1958年(昭33)10月22日、山口県生まれの53歳。多々良学園から中大に進み、80年ドラフト3位で大洋入団。84年56盗塁で盗塁王。94年日本ハムに移籍し同年引退。通算1628試合出場で打率・297、88本塁打、545打点、321盗塁。01年横浜コーチ、04年アテネ五輪コーチを務めた。息子3人はプロサッカー選手。

 ◆白井 一幸(しらい・かずゆき)1961年(昭36)6月7日、香川県生まれの50歳。志度商―駒大を経て83年ドラフト1位で日本ハム入団。二塁手として活躍し、91年最高出塁率のタイトル獲得。96年オリックスに移籍し同年引退。通算1187試合出場で打率・246、49本塁打、334打点、168盗塁。00年~07年日本ハムで2軍監督、ヘッドコーチを歴任。今季は横浜2軍監督。

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