村田 巨人移籍確実 聖域「4番・三塁」継承へ

[ 2011年12月4日 06:00 ]

巨人との交渉を終え、報道陣の囲み取材に応じる村田

 横浜からフリーエージェント(FA)宣言した村田修一内野手(30)が3日、都内のホテルで巨人と初交渉した。

 三塁で全144試合に出場してほしいと口説かれ、巨人の聖域である「4番・三塁」の継承を決断。長嶋茂雄終身名誉監督、原辰徳監督と、右打ちのスラッガーに伝承されてきた聖域を引き継ぎ、V奪回の使者となる覚悟を固めた。新球団となった横浜DeNAからは強い残留要請を受けているが、巨人移籍は確実な状況だ。

 巨体を武者震いさせていた。村田の声は時にかすれ、消え入りそうにもなった。「緊張しました」と柄にもなく振り返った45分間の初交渉。示された聖域に、足を踏み入れる覚悟を決めた。

 「原さんも長嶋さんも守ったサード。そこで144試合僕を使っていきたいと言ってくれた。自分も守ってきたし、ホットコーナー。そこを重視していただいたのは凄くありがたいです」

 4番・三塁といえば、巨人を語る上で欠かせない。勝利を呼ぶ右打ちのスラッガーが君臨してきた「聖域」だ。横浜でも1年目途中に正三塁手の座をつかみ、9年間守り続けてきた。交渉中には前代にあたる原監督からの「一緒にやろう」というメッセージを、原沢敦球団代表兼GMから伝えられたという。4番には阿部らライバルもいるが、内部競争を勝ち抜き君臨するつもりだ。

 2日には新球団となった横浜DeNAの春田真オーナーから複数年契約を提示され、強く慰留された。「5年以内に優勝」と目標を掲げる横浜に対し、村田が挙げる最大の条件は「来季優勝争いできるチーム」。この日は2年総額6億円の条件提示を受けたとみられるが「そこは重視していない。まずは優勝争いしたいというのが僕の中では第一ですから。(巨人は)今年も3位に入り、優勝を狙えるチーム」と条件面の合致を強調。横浜在籍9年間でチームは全て負け越し、勝利に飢えてきた。交渉の間も質問などすることなく、勝利への思いの丈だけを原沢球団代表にぶつけ続けた。

 背番号は横浜で9年間つけた「25」と、ラミレスの退団で空き番となった「5」を提示された。「好きな方を選んでくれと言われました。25番は愛着があるし、5番は巨人で強打者がつけてきた」と球団の誠意に感謝した。現時点で他に獲得へ名乗りを上げる球団はなく、相思相愛は揺るぎようがない。次回以降の交渉予定はなく、あとは返事を伝えるだけ。「まずは家族と話し合う。12月中旬くらいには決まれば」と話したが、早ければ週明けにも「巨人・村田」が誕生する。

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2011年12月4日のニュース