秋山監督に正力賞!王さん以来の選手&監督受賞

[ 2011年11月23日 06:00 ]

2011年正力松太郎賞授与が決まり、笑顔で会見する秋山監督

 今年のプロ野球の発展に最も貢献した監督、選手に贈られる「正力松太郎賞」の選考委員会が22日、都内で行われ、ソフトバンクを8年ぶり5度目の日本一に導いた秋山幸二監督(49)が選ばれた。賞金は500万円。秋山監督の受賞は西武での現役時代の1991年以来2度目。選手、監督両方での受賞は、ソフトバンク・王貞治球団会長(71)に次いで2人目の快挙となった。

 最も尊敬する野球人に肩を並べた。ヤフードーム内で開かれた記者会見に臨んだ秋山監督は「ただただ、びっくりしています」と第一声。前回受賞した91年は西武の主砲として日本シリーズで4本塁打を放って日本一に貢献し、外野手として同賞を初受賞。20年ぶりの受賞で王会長に並んで史上2人目の選手と監督の両方での受賞となり、「大変光栄です。監督をさせてもらって3年目。日本一になって周りの方が本当に喜んでくれたというのを多く聞いた。今年一年はいい年だったとしみじみ思っている」と受賞の喜びをかみしめた。選考委員長を務めた王会長も「ホークスに在籍している者として大変喜ばしいこと」と話した。

 レギュラーシーズンでは2位に17・5ゲームもの大差をつける圧倒的な強さを発揮。交流戦、日本シリーズも制して「完全優勝」を成し遂げた。特に日本シリーズでは、不振の馬原に代えてセットアッパーのファルケンボーグを抑えに配置転換、さらに摂津を先発から中1日での救援起用など短期決戦を意識した大胆な采配が当たった。そのシリーズについては「(第7戦の9回に)ファルケンボーグに打球が当たって降板したときは、最後の最後まで勝つのは難しいと思った」と振り返った。

 次なる目標はアジアの頂点だ。25日に台湾で開幕するアジアシリーズに出場する。「ソフトバンクというチームがどれだけできるかを証明したい」。最強チームにアジアNo・1の称号を加える。

 ▽選考経過 冒頭で王委員長が日本一監督の受賞が続いている状況を踏まえ、委員たちに意見を求めた。選手では山本委員からプロ史上2人目の両リーグ首位打者に輝き、日本一にも貢献したソフトバンク・内川、中西委員からは低反発の統一球導入にもかかわらず、両リーグトップの48本塁打で本塁打王を獲得した西武・中村が選考対象に挙げられた。それでも「監督にはタイトルがない」という多数の声が上がり、ソフトバンクを8年ぶりの日本一に導いた秋山監督が満場一致で選ばれた。同監督はレギュラーシーズンで全11球団に勝ち越し、鬼門だったクライマックスシリーズも突破。日本シリーズでも「試合巧者の中日を相手に、采配で光るものがあった。秋山監督で正解ではないか」(王委員長)と高い評価を受けた。なお、秋山監督は12月1日のプロ野球コンベンション(東京)で表彰される。

 ◆正力賞選考委員 王貞治(委員長、ソフトバンク球団会長)、田口雅雄(野球ジャーナリスト)、杉下茂(野球評論家)、中西太(野球評論家)、山本浩二(野球評論家)=敬称略、順不同=。

 ▽正力松太郎賞 日本プロ野球の生みの親として知られる正力松太郎氏(元読売新聞社社主)の功績を称え、1977年に創設された。その年のプロ野球の発展に大きく貢献した人物(監督または選手)に贈られる。表彰者には金メダルと賞金500万円を贈呈する。

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2011年11月23日のニュース