致命的だった8回の継投遅れ…中日 1敗以上の大きな黒星

[ 2011年11月18日 11:51 ]

<中・ソ>8回無死満塁、打者・松田を迎え降板するチェンは思わずしゃがみ込む

日本シリーズ第5戦 ソフトバンク5-0中日

(11月17日 ナゴヤD)
 ソフトバンクが王手をかけた日本シリーズ第5戦をスポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(48)が分析。中日は8回に継投の遅れから余計な失点をして王手をかけられてしまった。

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 中日の先発・チェンの調子は良かった。球が走って制球もいい。状態が不安定だった第1戦とは逆に立ち上がりから力勝負で行った。しかし、7回に2点目を失った時点でほぼ限界。独特の重圧がかかるシリーズは、投手交代の目安は球数よりもピンチの数。7回までに3度のピンチを迎えて2失点しており、8回に先頭の本多に遊撃内野安打されたところで代えるべきだった。8回が左の本多からの打順だったことを考えれば、頭から左の小林正でよかった。続投は完全に裏目で、無死満塁から2番手に河原の投入ではいかにも厳しい。

 負けるなら0―1より0―10でいいという考えの落合監督。ただ、この試合は負けるにしても0―2のままでなければいけなかった。ソフトバンク打線につながれて8回に3失点。本来の勝ち方をさせてしまった。さらに5点差の楽な場面で不振の守護神・馬原の登板も許した。2試合休んで9回1イニングをゼロに抑えたことで、馬原の精神状態は元に戻れる。第6戦以降に抑えで使えるメドを立たせてしまった。

 先発に吉見、山井を残す中日だが、ソフトバンクの打線と守護神を目覚めさせた第5戦はただの1敗ではない。流れはソフトバンク。食い止めるのは容易ではないだろう。

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2011年11月18日のニュース