頼れる40歳4番小久保がV打!タイ勝呼ぶ初回一撃

[ 2011年11月17日 06:00 ]

<中・ソ>1回1死一、三塁、右前に先制打を放つ小久保

日本シリーズ第4戦 ソフトバンク2-1中日

(11月16日 ナゴヤD)
 笑顔のヒーローインタビュー。ソフトバンクの小久保は「僕のヒットは4時間ぐらい前で覚えてない」とスタンドの笑いを誘った。ベテランらしい技の一撃は初回1死一、三塁だ。中日の先発・川井の外角直球を軽く流し打った。

 3戦目でシリーズ初勝利を挙げた前日の勢いをつなげる意味でも価値ある一打が今シリーズ初打点となり、「一発目のチャンスをきっちりものにできた」と誇らしげに振り返った。

 初回の2点目も小久保の闘志あふれるプレーが生んだ。なおも続いた1死一、二塁で松田は二ゴロ。誰もが併殺と思ったが、一塁走者の小久保が併殺崩しの猛スライディング。遊撃・荒木の一塁悪送球を誘い、二塁から内川が生還した。ゴールデングラブ6度受賞の名手・荒木のミスを誘ったプレーに「これはこういう試合でしかやらないスライディングや」と上機嫌に振り返った。

 3回にも左前打で出塁し、第2戦から3戦連続で2安打の活躍。第3戦から松田に代わって4番に座り、チームは息を吹き返した。骨折や首痛。今季は故障に苦しみ続けた。ボロボロの体のケアに努めて大舞台に備えた。「先は長くないので、じっくり味わいたい。心に刻みながらやる」と待ちわびていた。自身が最後に出場した2000年は2連勝しながら4連敗で幕を閉じた。苦い思いが胸にある。「むなしさがあった。必ず日本一になる。そうじゃないと何か報われない」。日本一という栄光に向け、不惑の男は集中力を研ぎ澄ませていた。

 「連敗スタートで、合言葉は“福岡に帰ろう”だった。まだタイなので、残りの試合は打線が引っ張って投手を楽にしたい」。日本一への道筋が、小久保にははっきりと見えている。

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