背景に原監督の編成への不信感…清武代表との間に深い溝

[ 2011年11月12日 08:00 ]

2007年当時の原監督(左)と清武代表。当時は蜜月関係だった

巨人・清武球団代表 渡辺球団会長批判

 表面上、今回の騒動は渡辺球団会長VS清武球団代表となっている。だが、その背景には原監督と清武代表の間に生じた深い溝がある。

 渡辺球団会長のコーチ人事に対する「俺に報告なしに勝手にコーチ人事をいじくっている」との発言があった4日。東京・銀座の読売新聞社では原監督による渡辺球団会長へのシーズン報告が行われた。同日を契機に、渡辺球団会長の主張は補強失敗などフロント批判に傾き、原監督を擁護するものになった。

 07年からリーグ3連覇を達成しながらも、昨年は外国人選手を中心とした補強に失敗してV逸。原監督は編成面への不信感を募らせた。指揮官は数年前から「僕と一緒に腹を切れるGMをつくってほしい」と申し入れていた。昨オフ、ついには渡辺球団会長もGM制導入に同意した。だが、原監督の主張はあくまでも「プロ野球経験のある」GM。役割分担が決まれば「現場の指揮に専念する」とも話したという。だが、今年6月に誕生した待望のGMに就任したのは清武代表。原監督の本意とは違った。今季も外国人選手の不振で2年連続V逸。指揮官の不満は限界に達した。

 第2次原政権がスタートした06年からしばらく、清武、原両氏は蜜月関係だった。原監督は著書「原点」で「求めるものが同じ――まさに同じ目的を持った人が、フロントにいたのだから」と記した。

 だが、来季に向けた体制づくりへ清武代表、原監督は桃井オーナー兼球団社長が間を取り持つまで意見のすり合わせができないほどになっていた。9月12日に来季の続投を要請された原監督だが、2カ月たった今もいまだ正式契約に至っていない。さらにコーチ陣についても5日から一切の契約が凍結しているのは、騒動と無縁ではない。(巨人担当キャップ・春川英樹)

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2011年11月12日のニュース