杉内、巨人有力?移籍視野にFA権行使を決断

[ 2011年11月9日 10:00 ]

昨年の交流戦で試合前に阿部(右)から声をかけられて笑顔の杉内

 ソフトバンクの杉内俊哉投手(31)が、国内フリーエージェント(FA)権を行使する意思を固めたことが8日、分かった。12日から中日と激突する日本シリーズ終了後に正式表明する。残留交渉の席に着くものの他球団への移籍を視野に入れており、FA宣言すれば巨人、横浜、阪神、オリックスなど数球団が獲得に名乗りを上げる可能性が高い。05年には沢村賞を獲得した球界屈指の左腕をめぐり、争奪戦になるのは必至だ。

 熟考に、熟考を重ねた末の決断だ。今オフのFA権行使の可能性について、杉内はスポニチ本紙の取材に対し「今は何も答えられません。日本シリーズがあるし、そこに向けて集中して日本一になるだけです」と言葉を選んだ。だが、親しい関係者には「他球団が、自分をどう評価しているのか聞いてみたい気持ちがある」と話しており、日本シリーズ終了後に、権利行使の意向を球団側に伝える。

 杉内は昨年まで4年連続2桁勝利をマーク。今季は8勝ながら、リーグ4位の防御率1・94と安定感は光っていた。9月には左肩痛で一時離脱したが、チームのリーグ制覇に貢献。5日のクライマックスシリーズ(CS)ファイナルS第3戦の西武戦(ヤフードーム)での延長10回途中127球の涙の熱投はホークスファンの胸を熱くした。

 今年4月15日、出場登録日数が8年に達してFA権を取得した際には「余計なことは考えずに(野球に)集中したい」と話していた杉内。しかし、今夏には親しい関係者に「新しいところで挑戦したい、という気持ちがないこともない」と漏らしていたという。

 FA権を行使すれば巨人など数球団の争奪戦となるのは確実。残留か移籍か。杉内の動向に注目が集まる。

 ◆杉内 俊哉(すぎうち・としや)1980年(昭55)10月30日、福岡県生まれの31歳。鹿児島実3年夏の甲子園では1回戦・八戸工大一戦でノーヒットノーラン達成。卒業後は三菱重工長崎に進み、00年シドニー五輪日本代表に選出された。01年ドラフト3巡目でダイエー入団。03年は日本一に貢献してシリーズMVPを獲得。05年には沢村賞、最多勝、最優秀防御率、08、09年は最多奪三振などタイトルも多数受賞。08年の北京五輪、06、09年のWBCと国際大会の経験も豊富。1メートル75、85キロ。左投げ左打ち。

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