青木、千金V打!CS初打点で“タイ勝”だ!

[ 2011年11月5日 06:00 ]

<中・ヤ>笑顔でタッチを交わす青木(右)

セ・リーグCSファイナルS第3戦 ヤクルト2-1中日

(11月4日 ナゴヤD)
 連勝だ、タイだ!ヤクルトは4日、中日に2―1で勝って連勝。アドバンテージを含めて2勝2敗のタイに持ち込んだ。1―1の同点で迎えた5回1死二塁で、3番・青木宣親外野手(29)が右前に値千金の決勝打。投手陣も6人の継投で最少リードを守りきり、執念の白星を手にした。5日の第4戦(ナゴヤドーム)で勝ったチームが、日本シリーズ出場へ王手をかける。

 こういう青木を待っていた。勝ち越し打の背番号1が、ヒーローインタビューに笑顔で答える。左翼席奥に陣取ったヤクルト応援団の歓声が鳴りやまない。不振にあえいだ打線の要がCS初打点を挙げ、勝敗を2勝2敗のタイにした。

 「もう、走者を還すことしか頭になかった。点を取られた後なので、何とかこの回にと思って」。2試合連続で先制しながら、同点で迎えた5回。1死二塁から、青木が甘く入ったシュートを待ってましたと振り抜いた。打球が一、二塁間を破る間に、二塁走者の山田が必死の形相で勝ち越しのホームを踏んだ。

 安打製造機にとって、今季ほど苦しいシーズンはなかった。05年から6年連続打率3割をマークし、200安打を2度達成。しかし今季は統一球への対応に苦戦した。例年なら遊撃手の頭上を越えたはずの打球はゴロとなり、遊ゴロはプロ8年目で自己ワーストの87個。左太腿肉離れ、肋骨のひびなど出場登録抹消寸前のケガにも耐えて全144試合を出続けたが、打率は自己ワーストの・292に終わった。

 自分には何が必要なのか――。CSに向けて短期間で可能な道を探り、シーズン終盤からウエートトレーニングのメニューを変更した。体幹、股関節などの強化に努め、以前はブレが生じたフォームが固まり、バットを振り抜けるようになった。ファーストS(神宮)は12打数3安打で打率・250。ファイナルSの3試合計は11打数5安打で・455だ。「状態は今季で一番いいかもしれない。やっと苦しかったところを脱した気はする」と笑顔を見せた。

 指揮官の読みも当たった。青木の元テレビ東京アナウンサー・佐知夫人(28)が10月28日に長女を出産。小川監督は「子供が生まれると、調子が悪かった人は良くなると昔から言われている」と、CSでは青木の打順を定位置の1番から変更。前日は4番、この日は3番に置いたのが見事にはまった。マルチ安打で応えた青木に、指揮官も「期待したら、その通りになってますね」と喜んだ。

 0勝2敗の崖っ縁から連勝を飾り、これで2勝2敗。きょう5日の第4戦に勝てば、逆にCS突破へ王手となる。「ここから開幕と思って、2つ勝ちたい」と青木。シーズンでは10年ぶりの優勝を目前でさらわれた相手に、雪辱する舞台は整った。

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