菅野 父・隆志氏は大学院進学も選択肢

[ 2011年11月3日 06:00 ]

<東海大・桐蔭横浜大>会見で涙に暮れる菅野

関東地区大学野球選手権準決勝 東海大1―2桐蔭横浜大

(11月2日 横浜)
 菅野の大学野球が終わった。第7回関東地区大学野球選手権は2日、横浜スタジアムで準決勝2試合が行われ日本ハムからドラフト1位指名を受けた東海大・菅野智之投手(22)は桐蔭横浜大戦に先発。8回まで無失点と好投したが1―0の9回2死から逆転サヨナラ打を喫し明治神宮大会出場を逃した。東海大側から菅野との接触の自粛を要請されていた日本ハムだが、同大の全日程が終了したことでいよいよ「交渉解禁」となる。

 涙が止まらない。試合後の会見場。菅野は真っすぐ前を見て気丈に質問に答えながら、赤いタオルで何度も目元を拭った。早すぎる終戦。決断が注目される今後の進路については「気持ちの整理をして考えないといけない。一生のことなのでじっくり考えて、答えを出したい。しっかり自分の意志を持って決めたい」と声を絞り出した。

 8回まで4安打無失点。完封目前の9回は、この試合最速の148キロを3度計測するなどギアを一段階上げた。だが、待っていたのはまさかの結末。2死二、三塁から阿部に初球のカーブを右翼線にはじき返された。

 大学球界最速157キロ右腕で、巨人・原監督のおい。同世代で最も注目されてきた22歳は「この一年、口では(注目されることを)力に変えると言っていたけど、つらい時もあった」と苦しい胸の内も明かした。伯父の原監督率いる巨人入りを熱望しながら、1位競合となったドラフトでは日本ハムが交渉権を獲得。プロ入り、社会人、浪人などさまざまな選択がある中で「実際のところ凄く苦しくて…。どんな選択をしても応援するって多くの人が言ってくれて力になった」と振り返った。

 これまで菅野に野球に集中してもらいたいとの思いから試合の視察などを自粛してきた日本ハムは、3日以降に交渉を開始する。スタンドで見守った父・隆志さんは「関係者に迷惑がかかるから早めに結論を出します。最終的には本人が行きたい方向に行かせる」と説明。「1浪の選択もある。大学の施設も素晴らしいし、そういう(大学に残る)選択もある」と東海大大学院進学にも含みを持たせた。

 大学院は通常2年以上かけて修士の課程を修了するが、過去に他大学でトップアスリートが1年間で修了した例があり、東海大でも「特別優秀なものは1年間以上の在籍で修了する」との規定がある。大学院に通いつつ来秋ドラフトを待つのも選択肢の一つだ。

 菅野は言った。「みんなに期待されてやってきた。みんなの夢を背負って、もっともっと人間として大きくなっていけたらと思う。次のステージで頑張る姿を見せて感動、勇気を与えられる選手になりたい」。次なる目標に向け、決断を下す時が迫る。

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2011年11月3日のニュース