星野監督 欲しい右の大砲…楽天、ラミレス獲得へ調査

[ 2011年11月2日 06:00 ]

星野監督(右)が熱望する「右の大砲」候補に浮上したラミレス

 楽天が、今季限りで巨人を退団するアレックス・ラミレス外野手(37)の獲得に向けて調査を進めていることが1日、分かった。球団創設時からチームを支えてきた主砲・山崎武司内野手(42)の退団により、今オフは右の長距離打者が最大の補強ポイント。巨人では守備の不安により、出場機会が減少していたが、DH制のあるパ・リーグならパワフルな打撃は十分に戦力となる。日本での実績は申し分ないだけに、今後の動向に注目していく。

 得点力不足に悩む楽天が白羽の矢を立てたのは、日本球界で実績十分のラミレスだった。今季で巨人との2年契約が終了し、退団を決意した通算359本塁打の強打者。既に獲得へ向けた調査を開始しており、球団幹部は「調査はしています。うちの補強ポイントですから。獲る獲らないは別にして、まだ活躍できる力は持っていると思う」と一定の評価を下した。

 星野監督就任1年目の今季はリーグ5位でシーズンを終了。エース岩隈、リーグ最多勝に輝いた田中らの強力な先発陣を擁しながら、得点力不足が低迷の最大の要因だった。チーム総得点はリーグワーストタイの432で、チーム最多本塁打は山崎の11本。山崎も今季限りで退団した。

 星野監督は今オフの補強について「外国人が当たらなければ、今年と同じ結果になってしまう。中軸を任せられる打者を獲らないといけない」と長距離打者の獲得が不可欠と考えている。球団も指揮官の意向を受けて補強に動いており、同球団幹部は「一番の補強ポイントは右の長距離打者。得点力を向上させないと勝てない」と断言する。

 球団は今年6月に国内FA権を取得した広島・栗原を補強リストの最上位としているが、ラミレスも並行して調査を進めている。外国人野手も3Aを中心にリストアップしているが、日本で活躍できるかは未知数。戦力として計算できるラミレスは魅力的だ。ネックとなるのは今季5億円の年俸。しかし、ラミレス側も金銭面よりも常時出場できる環境面を優先しており、条件が折り合えば契約する可能性もある。

 01年にヤクルトに加入したラミレスは、03年から史上初の8年連続100打点を記録。07年オフに巨人に移籍し、08、09年にはセ・リーグMVPを獲得した。勝負強い打撃でヤクルト、巨人を日本一にけん引した実績は申し分ない。今季は統一球の対応に苦しみ、打率・279、23本塁打、73打点。今季は再三、守備の衰えが指摘されているが、DH制のあるパ・リーグならば打撃に専念できる。また、明るいキャラクターとおなじみのパフォーマンスで集客力も期待できる。

 ラミレスは通算2000安打にあと150本と迫っており、日本での現役続行を希望している。2球団でリーグ優勝を経験している日本球界史上最強の助っ人。優勝の味を知らない楽天にはうってつけの存在といえる。

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