ラミレス退団 チームの起用法を受け入れられず

[ 2011年11月1日 07:12 ]

<ヤ・巨>初回を終え、ベンチに戻るラミレスはスタンドの声援にこたえる

 巨人に激震が走った。クライマックスシリーズ(CS)ファーストSでヤクルトに1勝2敗で敗退。今季の全日程が終了した巨人の第74代4番、アレックス・ラミレス外野手(37)が今季限りで退団することが31日、分かった。

 今季が2年契約の最終年。09年には首位打者を獲得しチームの7年ぶり日本一に貢献するなど活躍したが、守備力重視の野球への転換を図るチームの起用法を受け入れられず、退団を決断した。

 4番として、4年間にわたりチームをけん引してきたラミレスが、巨人のユニホームに別れを告げる。複数の関係者の話を総合すると、この日までに球団側とラミレス側で会談が持たれ、来季の契約を結ばない方針で両者が合意した。

 今季が2年契約最終年となるラミレスはこれまで自身の去就について、「時期が来たときにそういう話が出るだろう。時間が解決してくれる。今は試合に集中するだけ」と明言を避けてきた。その中で最終的に退団を決断した背景には、起用法への疑問があった。今季から導入された統一球の影響で、セ、パともにロースコアの試合が増えた。

 ラミレスは08、09年に2年連続でセ・リーグMVPを獲得するなど、これまでは守備面を自慢の打力で十二分に補ってきた。さらにホームラン後のパフォーマンスに代表されるようにファンサービスを大切にし、誰よりファンに愛された。また、同じ右打者の坂本や長野にも惜しむことなく助言を送るなどチームの精神的支柱でもあった。とはいえ、来季で38歳という年齢的な衰えも否定はできない。今季は137試合で打率・279、23本塁打、73打点。7月には右足甲に死球を受け、4番での連続先発出場が469試合でストップ。連続出場も985試合で途切れた。打撃不振にケガも重なった同月は打率・172、本塁打0。以降、4番以外の打順やベンチスタートも増えた。

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