不規則に変化する打球…久々実戦の賢介 統一球に泣く

[ 2011年10月31日 06:00 ]

<日本ハム・西武>8回2死一、二塁、田中が中村の打球をはじく

パ・リーグCSファーストステージ第2戦 日本ハム1―8西武

(10月30日 札幌D)
 狙い通りだった。日本ハムは同点の8回2死二塁で中島を敬遠。4番・中村との勝負を選択し、打球は二塁手・田中の正面に飛んだ。ところが、5年連続ゴールデングラブ賞の名手がこれをはじいた。痛烈なライナーだったが信じられないミスだった。

 今季から導入された統一球の影響といえる。遊撃手として横から見ていた金子誠が証言する。「今年の球は遠くへ飛ばなくするために、スピンがほどけやすい(回転が少なくなる)。だから、ライナーはナックルボールのように変化する」。田中は丁寧に両手で捕球しようとした。大事な試合ならば当然の気持ちだった。しかし、鋭い変化球を捕手は両手でキャッチしない。野手も同じ。鋭く変化する打球は一見、雑に見えるシングルキャッチの方が簡単なのだ。

 「あれは単純に僕のミス。グラブの先っぽではじいた。試合に出ている以上、実戦感覚とかは関係ない」。6月に左足首を骨折しCSから実戦復帰した田中は言い訳はしなかった。ただ、4カ月間の離脱がなければ、独特な不規則変化も対応できただろう。得点力不足に苦しんだ攻撃だけでなく、最後は守備まで統一球に泣かされた。

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2011年10月31日のニュース