西口ポストシーズン初勝利 渡辺監督「うれしい誤算」

[ 2011年10月31日 06:00 ]

<日・西>中村らナインを出迎える(後方左から)渡辺監督、西口、石井一、平尾

パ・リーグCSファーストステージ第2戦 西武8―1日本ハム

(10月30日 札幌D)
 西武は30日、先発の西口文也投手(39)が8回途中まで1失点の快投。2位日本ハムを8―1で下し、2連勝として3年ぶりのファイナルS進出を決めた。通算177勝の西口はポストシーズン10試合目の先発で念願の初勝利。勝負どころで頼れるベテラン右腕がチームをけん引し、昨季のロッテに続き、レギュラーシーズン3位から日本一へ「史上最大の下克上」に夢をつないだ。パ・リーグのファイナルステージは3日にヤフードームで開幕し、リーグ優勝ソフトバンクが1勝のアドバンテージを持つ6試合制で行われる。

 1点リードの8回無死一、三塁。降板を告げられた西口は、マウンドで石井一を待ち、こう声を掛けた。「大変な場面になっちゃったけど、ごめん」。39歳が招いたピンチを38歳が摘んだ。77歳リレーに「何回お礼の言葉を言ったか分からないくらい。一久がね、おじさんパワーで抑えてくれた」と感謝した。

 4回にホフパワーに先制弾を許したが、8回途中まで6安打1失点。これまでポストシーズンで未勝利だった右腕が、10試合目の登板で初勝利を挙げた。「そんなに投げているの?」とおどけながら「シーズン終盤からいい感じで投げられていた。それが続いてくれた」と分析した。

 18日の今季最終戦。負けたら終わりのマウンドでも、本拠地で日本ハム相手に8回2失点で勝利投手になった。CSの緊張感については「シーズンの最終戦で味わっているのでね。そこまではなかった」と、通算177勝を挙げている百戦錬磨らしい言葉を並べた。

 今季はチーム勝ち頭の11勝。昨年から「人生で初めて」というウエートトレーニングを導入し、17年目の今季は、変化球の握りを変更するなど、チーム最年長は自らをレベルアップさせることに貪欲になった。渡辺監督は「本当にうれしい誤算だった。開幕前にはオツ(西口の愛称)はローテが確約されていない立場だったしね」と驚きを隠せない。短期決戦2戦目のマウンドは、そんな努力が実った結果だった。

 昨年は2連敗で敗退したファーストSを、今年は2連勝で突破。3位からの下克上へ、11月3日からは敵地・福岡でソフトバンクと激突する。渡辺監督は「シーズンでうちは完璧にやられている(5勝15敗4分け)。失うものはないので思い切ってやれれば。今、チームの底力を感じている」と雪辱を誓った。

 ≪ワーストタイでピリオド≫西口(西)が7回0/3を1失点でCS初勝利。これまで日本シリーズ5敗、プレーオフ1敗を合わせポストシーズンでは6連敗。PSで勝ち星なしの6連敗は斉藤和(ソ)と並ぶワーストタイだったがようやくピリオドを打った。今季レギュラーシーズンでの投球成績を前後半戦で分けると

試 勝 敗 防御率

前半 9 3 6 3・81
後半13 8 1 1・89

 球宴後は防御率1点台と安定しており、短期決戦でも好調を持続した形だ。

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2011年10月31日のニュース