プホルス置き土産!?カージナルス5年ぶり世界一

[ 2011年10月30日 06:00 ]

5年ぶり11度目のワールドシリーズ優勝を果たし、喜ぶカージナルスナイン

ワールドシリーズ第7戦 カージナルス6―2レンジャーズ

(10月28日 セントルイス)
 歴史に残る名勝負となった大リーグのワールドシリーズは28日(日本時間29日)、第7戦が行われ、地元のカージナルスが6―2でレンジャーズに逆転勝ち。驚異的な粘りでサヨナラ勝ちを演じた第6戦の勢いをそのまま持ち込み、5年ぶり11度目の世界一に輝いた。ワイルドカード(最高勝率2位球団)による制覇は04年のレッドソックス以来。MVPにはデービッド・フリース内野手(28)が選ばれた。

 球場新記録の4万7399人で真っ赤に埋まったブッシュ・スタジアムが揺れ、紙吹雪が舞った。5年ぶりの王者奪回。67歳の名将トニー・ラルーサ監督は「この出来事を説明するなら、信じられない、驚き、そして素晴らしい、だ」と興奮気味にまくし立てた。

 第6戦は「あと1球で敗退」の危機を2度しのぎ、延長11回にサヨナラ勝ち。崖っ縁からよみがえった男たちは第7戦の重圧を感じるどころか、伸び伸びとプレーした。初回に2点を先制されたが、その裏、前夜サヨナラ弾を放ち「45分間しか寝ていない」という28歳の5番フリースが左中間へ同点の2点二塁打。3回には27歳のクレイグがシリーズ3号となる決勝ソロを右翼に運んだ。

 チームの中心は、第3戦で史上3人目の1試合3本塁打を記録したプホルス。輝かしい記録を持ちながら「過去は振り返らず、今を戦う」という現役最強打者の姿勢は、フリース、クレイグら若手に確実に浸透した。だからこそ、逆境を何度もはね返すことができた。「毎日、鷹のような目でプホルスを見てきた」と語るフリースは、ポストシーズン新記録となる21打点をマーク。リーグ優勝決定シリーズに続くMVP受賞は08年のハメルズ(フィリーズ)以来、史上6人目で「ベテランからいろいろ学び、周囲に支えられてここまで来た。最高のチームにいられてうれしい」と笑った。

 バド・セリグ・コミッショナーが「歴史に残るシリーズ」と表現した名勝負。ラルーサ監督は「選手には全てが終わってから楽しもうと話していたが、その時が来た」と言った。8月25日時点で10・5ゲーム差あったワイルドカード争いを最終戦で制したレギュラーシーズンと合わせて今季180試合目。奇跡のドラマは地元セントルイスで完結した。

 ≪セントルイス・カージナルス≫1892年にナ・リーグ加盟。ワールドシリーズは1926年に初制覇。「ザ・マン(男の中の男)」と呼ばれた首位打者7度のスタン・ミュージアル、本塁打王のマーク・マグワイア、名遊撃手オジー・スミスらが在籍した。トニー・ラルーサ監督は96年に就任した。本拠地球場はブッシュ・スタジアム(06年開場)で収容4万6861人。日本選手では田口壮(02~07年)が在籍した。

 ≪世界一11度は2位≫カージナルスは田口壮らが所属した06年以来の世界一で世界一11度はヤンキースの27度に次ぐ2位。ラルーサ監督は3度目の世界一(89年アスレチックス、06、11年カージナルス)で5位タイ。一方、レンジャーズは91、92年のブレーブス以来の2年連続ワールドシリーズ敗退となった。

 

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