ビッグ3より71発男 ヤクルト 中日熱視線「1軍でも中軸打てるスイング」

[ 2011年10月21日 11:02 ]

甲子園出場はないものの、1位指名が予想される東海大甲府の高橋

 「プロ野球ドラフト会議 supported by TOSHIBA」は27日、グランドプリンスホテル新高輪国際館パミールで開催される。今ドラフトは東海大・菅野智之投手(22)、東洋大・藤岡貴裕投手(22)、明大・野村祐輔投手(22)の「ビッグ3」に注目が集まるが、金の卵はほかにもいる。高校通算71本塁打の東海大甲府・高橋周平内野手(17)も各球団が熱視線を送っている。

 甲子園出場経験はない。だがどのスカウトも「高橋が今年のNo・1野手」と口をそろえる。1メートル85の恵まれた体格。ユニホームがはち切れそうな下半身。高校生離れしたスイングスピードから放たれたアーチは高校通算71本を数える。運命の日を1週間後に控えた超高校級スラッガーは「楽しみ。どこに行くのかというのは凄く気になる」とその瞬間を心待ちにした。

 ヤクルト、中日などが1位指名候補に挙げるなど最大で4、5球団が競合する可能性もある。今夏山梨大会準々決勝で敗退も、8月のアジアAAA野球選手権の日本代表メンバーに選出された。18人中16人が甲子園経験者の中で3番に座り、決勝の韓国戦2ランを含む4打点の活躍でMVPに輝いた。甲子園出場経験がないという劣等感が消え、プロ入りへ自信を深めた瞬間だった。

 東海大甲府グラウンド右翼後方約100メートルの位置には高さ10メートルの「高橋ネット」が張られている。木製バットで130メートル級の飛球を放つパワー。現在はボールをギリギリまで呼び込んで下半身で押し込むプロ仕様の打撃フォームに改造中だ。阪神・菊地敏幸東日本統括スカウトは「がっちりした下半身がいい。1軍でも中軸を打てるぐらいのスイング」とそのスピードと力強さを絶賛した。

 「言葉でも印象に残る選手になりたい」と高橋。日本ハム・斎藤は早大の優勝インタビューで「持ってる」の名言を残した。「僕はなかなか言葉が出てこないけど、印象に残る言葉を言ってみたい」。スター選手に名言はつきもの。まずはドラフト直後の記者会見。フラッシュを浴びる高橋の口から、どんな言葉が飛び出すのか注目だ。

 ◆高橋 周平(たかはし・しゅうへい)1994年(平6)1月18日、神奈川県藤沢市生まれの17歳。善行小1年から野球を始め、湘南クラブボーイズでは2年時に4番で全国制覇。東海大甲府1年春からベンチ入りで夏から4番。今夏山梨大会は準々決勝で山梨学院大付に敗退。高校通算71本塁打。50メートル走6秒6、遠投100メートル。1メートル85、87キロ。右投げ左打ち。

 ≪ドラフトあらかると≫
 ☆指名人数 原則として1球団10人以内。他球団が全て選択を終了して12球団で計120人に満たない場合は、最大120人に達するまで指名できる。国内独立リーグ所属選手や、外国プロ野球選手を選択した場合は、その人数に含まない。

 ☆入札 1巡目は入札。指名が重複した場合は抽選で決定。外れた球団は再度入札を行い、指名が重複したら再度抽選。決定するまで繰り返す。

 ☆指名順 2巡目は球団順位の逆順、3巡目は球団順位。今年の球宴で勝ち越して優先権を獲得したパリーグの最下位球団、ロッテが第1順位。セの横浜が第2順位。楽天が第3順位で続く。

 ☆選択可能選手 高校生、大学生は事前にプロ志望届を提出した選手。高校生は87人、大学生は78人の計165人が対象。

続きを表示

2011年10月21日のニュース