ダル 自画自賛の15K18勝目!CS決めた

[ 2011年10月12日 06:00 ]

<日・西>9回2死一塁、中村を三振に仕留め完封、吠えるダルビッシュ

パ・リーグ 日本ハム3-0西武

(10月11日 札幌D)
 今季6度目の完封。エースは試合終了の瞬間、力強く吠えた。最速155キロ。三塁も踏ませなかった。日本ハムのダルビッシュが力でねじ伏せ、チームに2年ぶりのCS切符をもたらした。

 「凄くうれしいです。取り返したい気持ちがあった。抑えられてちょっとスッキリした」

 対西武戦は自己ワーストの7失点でKOされた4月12日の開幕戦(札幌ドーム)以来。やられたらやり返す。完封を目前にした9回2死。中島にはこの日最速タイの155キロ。最後の打者は中村。3打席目までは全12球が直球。この打席も直球で追い込んだが、勝負球に選んだのはスライダー。プロ野球新記録となるシーズン3度目の1試合15奪三振を達成した。試合後。札幌ドームの地下通路で中村と偶然に鉢合わせ。「ナイスボール」と脱帽されたエースは、逆に「最後は(スライダーで)すみませんでした」と返した。

 「今年の中でも3本の指に入る」と自賛した切れのある直球で押し続けた。全130球中、150キロ超えは半分を超える66球。「西武打線はどういう状況でもしっかり振ってくる。せこいまねはしないので、投げていて気持ち良かったし、楽しかった。最後に(西武相手に)投げることができて、幸せなことです」。少し口角を上げた。7月30日のソフトバンク戦(ヤフードーム)では軽打で当てに来る打線に「もっと振ってきてほしかった」と話した右腕。CSで再戦の可能性のあるライバルに、意趣返しの快投でもあった。

 ポスティング・システム(入札制度)を利用しての大リーグ移籍の可能性がある今オフ。レギュラーシーズンの登板予定は18日の西武戦(西武ドーム)の残り1試合。ただ、昨季はわずか1勝差で逃したCS進出を果たしたことで、まだまだ大舞台で凄みのある投球が見られる。

 ≪シーズン3度の15Kは新記録≫ダルビッシュ(日)が15三振を奪い完封勝利。自身1試合15奪三振は5月10日、8月25日といずれも楽天戦でマークしたのに次いで3度目になる。9回試合で15奪三振を3度以上記録したのは金田(国鉄、巨)、野田(オ)各4度、江夏(神)3度に次ぎ4人目。シーズン3度は93年野田、今季田中(楽)の各2度を抜くプロ野球新記録になった。2桁奪三振は今季14度目で昨年の13度を上回る自己最多。13度以上の2桁奪三振を2度は野茂(近鉄)が90年21度、91年20度、93年14度と3度マークしたのに次ぎ2人目。

 ≪日本ハムで18勝は29年ぶり≫ダルビッシュは田中(楽)、ホールトン(ソ)に並びハーラートップタイの18勝目。日本ハムでシーズン18勝以上は82年工藤が20勝して以来29年ぶり。同一リーグで18勝以上が3人は85年パで佐藤義(阪急)21勝、石本(近鉄)19勝、山田(阪急)18勝と記録して以来26年ぶりのハイレベルの争いだ。

 ▼工藤 幹夫(元日本ハム投手、秋田市内でスポーツ店を経営)一番凄いのは直球で押せるところ。それに加えて、打者との駆け引きもうまくなっている。自分が言うのもおかしな話だが、投手として年々良くなっている。今でも日本で一番凄い投手だが、さらに成長していくのだろうね。

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