斎藤 プホルス併殺斬り!8月に与えた死球の残像生かす

[ 2011年10月11日 06:00 ]

<ブルワーズ・カージナルス>先勝しアクスフォード(左)と抱き合って喜ぶ斎藤

ナ・リーグ優勝決定シリーズ第1戦 ブルワーズ9―6カージナルス

(10月9日 ミルウォーキー)
 ブルワーズの斎藤隆投手(41)が9日(日本時間10日)、カージナルスとのリーグ優勝決定シリーズ第1戦で7回無死一塁から登板。主砲アルバート・プホルス内野手(31)を三ゴロ併殺に仕留めるなど1回を無失点に抑えた。8月の対決では死球を与え、両チームの遺恨対決の発端ともなったが、その残像を利用しての見事な配球。チームは9―6で勝利し、98年のナ・リーグに移籍以降、初のリーグ制覇へ、白星発進した。

 シャワーを浴びて着替えを済ませた斎藤は、爽やかに試合を決めたポイントを振り返った。3点リードの7回無死一塁で救援。最初の打者にヒットエンドランを決められて一、三塁のピンチを招いたが、プホルスを三ゴロ併殺に仕留めた。

 「自分でも信じられないくらい絵に描いたようにきれいにはまってくれた。ウソみたいですね」

 初球は内角高めで体を起こし、4球目までは速球系。2ボール2ストライクから最後だけ球速を約20キロ落とした外角低めのカーブで、バットを折った。併殺の間に1点を失ったが、この回を最少失点で切り抜けた。

 昨年まで10年連続で打率3割、30本、100打点の大リーグ屈指の強打者との対決。勝敗を分けたのはシーズン中の対戦で植え付けた「内角の意識」だった。8月2日の今季初対戦はシュート系の内角ツーシームを2球続け、死球を与えた。すると、同9日の対決は外角中心の配球に反応が鈍かった。「ツーシームを待っている感じがあった。1回ツーシームを見せると、待って打ちたがる傾向がある。だから、反対に曲がる変化球が効く」。読み通りだった。

 斎藤が与えたプホルスへの死球から両軍の遺恨が始まり、この日も初回にカ軍ガルシアがフィルダーに死球を当てると即座に警告試合となった。当初の指示より登板が早まり、投球練習は5、6球。「あんな状況でよくマウンドに送り込んでくれたなと。もう少し英語ができたら監督に“正気か”と言いたかった」。リーグ優勝決定シリーズは自身初のマウンドだが、41歳には平常心を保てる経験と技術があった。

 プホルスは「完全な打ち損じ。あの球なら10球中7球はスタンドに運べる」と負け惜しみを口にした。今ポストシーズン6試合中、4度目登板でいまだ無失点。切り札・斎藤の好投が主導権を握る1勝をもたらした。

 ▼ブルワーズ、ロン・レネキー監督 斎藤はうまく投げた。内野ゴロで1点を失ったが、2つのアウトを取れた。ビッグプレーだった。

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2011年10月11日のニュース