涌井エース復活!大一番で7回零封 ついに1差だ

[ 2011年10月11日 06:00 ]

<日・西>7回無失点の力投を見せた涌井

パ・リーグ 西武12―0日本ハム

(10月10日 札幌D)
 ついにCS出場圏まで1ゲーム差に捉えた。エースの名にふさわしい。西武・涌井が7回零封の力投で、3位・オリックスの背中に爪を立てた。胸に刻んだ6日前の教訓は「エースらしく試合をつくる」こと。2点先制した直後の1回裏。先頭に安打を許すと、2死からは小谷野に四球を与え一、二塁のピンチを迎えた。

 「初回に点を取ってくれて、その後のピンチを抑えられたのが一番良かったと思います」と振り返った試合の分岐点。稲葉を全力投球の144キロで遊ゴロに仕留め、流れを呼び込んだ。

 4日のオリックス戦(西武ドーム)。3位との直接対決初戦で7回5失点と崩れた。渡辺監督は「今の彼の実力」と斬り捨て、6日の同戦ではブルペン待機を命じた。「疲れは大丈夫。待機するからには投げたい」と108球から中1日で準備したが、首脳陣の目的はエースの自覚を目覚めさせることにあった。

 試合前まで今季の日本ハム戦は5試合で1勝3敗、防御率4・94。CSを見据え、苦手意識を払しょくできたことも収穫だった。6年連続2桁勝利にも王手をかけ「あと1回あると思うので、最後は勝って終わりたい」と望みをつないだ。

 チームは今季10度目の零封。打線も主砲・中村の46号3ランなど15安打で今季9度目の2桁12得点と大暴れだ。9月7日に最大7ゲーム差あった3位との差を1カ月で詰めた。渡辺監督は「あしたは日本一の投手を何とか攻略できるようにしたい」と、11日に対戦するダルビッシュ攻略に気持ちを高ぶらせていた。頼れる右腕の復活が、逆転CS進出を確信に変えた。

 ≪連続失点18試合で止めた≫涌井(西)が7回無失点で9勝目。無失点で切り抜けるのは5月25日の広島戦(完封)以来で、連続失点を18試合で止めた。また、この日の白星で西口、帆足に並ぶチーム勝ち頭となり、2桁勝利に王手。西武の年度別最多勝利投手を調べると、最少でも04年の10勝(西口、松坂、帆足)となっており、2桁勝利不在のシーズンは過去1度もない。残り6試合で、球団初の屈辱を免れられるか。

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2011年10月11日のニュース