涌井“縦スラ”で8勝目!

[ 2011年9月28日 06:00 ]

<楽・西>8勝目を挙げた涌井

パ・リーグ 西武7-1楽天

(9月27日 Kスタ宮城)
 西武は投打がかみ合い、27日の楽天戦に快勝。エース涌井秀章投手(25)は7回1失点で8勝目を挙げた。チームは02年8月以来、9年ぶりの10連勝。9月は18勝3敗2分け、勝率は驚異の・857だ。最大15あった借金を完済し、6月5日以来114日ぶりの勝率5割に復帰した。クライマックスシリーズ(CS)の出場権獲得まで、ノンストップで走り続ける。

 涌井が投じたスライダーは、鋭く縦に変化した。5回1死一、二塁。1ストライクから嶋を遊ゴロ併殺に仕留めた。

 「いい回もあれば悪い回もあったので、調子は普通だった。(打線に)先制、中押しをしてもらって、うまくかみ合っていたかなと思います」

 7回まで120球を要したが、押し出し四球による1失点で切り抜け、8勝目。6年連続2桁勝利に望みをつないだ。

 今季導入された統一球の影響で、夏場を前に右肘を痛めた。スナップの力で投げる力投タイプ。縫い目が低く、滑りやすい球だけに、右肘への負担は大きかった。現在も右肘の状態は万全とは言えないが、ケガの功名から引き出しが増えた。

 5勝7敗と波に乗れないまま8月に入ると、フォームに微調整を加えた。「右肘を上げて投げるように変えているんです。それで、スライダーが縦に変化するようになったんですよね」。フォークやチェンジアップなど、落ちる球の精度に苦しんでいただけに「縦スラ」は大きな武器になった。嶋の併殺打は、その新球から生まれた。

 昨年から、夏場の試合では下半身がつることが増えた。今季は背中がつって降板したこともあった。だが、涼しい気候となれば、その心配はなかった。この日は6回の1イニングで39球を投げたが、7回は簡単に3者凡退に抑えた。次戦は10月4日からのオリックス3連戦での登板。CS出場を争う相手だけに「しっかり1週間調整して、次は最後まで投げたいと思います」と力を込めた。

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