これが3度目…中田ダウン 疲労でめまいと吐き気訴える

[ 2011年9月21日 06:00 ]

病院で検査後、宿舎に戻る中田

パ・リーグ 日本ハム4-5西武

(9月20日 西武D)
 日本ハムの中田翔内野手(22)が20日、めまいと吐き気を訴え、同日の西武19回戦(西武ドーム)を欠場した。開幕からの連続先発出場が121試合で止まった同選手は埼玉県所沢市内の病院で緊急検査を受けた結果「疲労性の体調不良」と診断された。ただ、中田が同様の症状を訴えたのは最近1カ月内で既に3度目で、逆転優勝を懸けたシーズン大詰め、さらにクライマックスシリーズ(CS)が控える中で予断を許さない状況だ。

 試合前のグラウンドに中田の姿は見当たらなかった。そして西武戦が行われている最中の午後7時すぎ。コンビニエンスストアで購入した食料品が入った袋を手に東京都立川市にある選手宿舎に戻ってきた中田は言葉少なながらも話した。

 「今年はこんなことが何回かあって、立っているだけでもめまいがした。薬をもらってきたし、あしたの試合出場はきょう1日、ゆっくりと休んでからかな…」

 体調不良を訴えたのは昼すぎのこと。選手宿舎での昼食後、めまいと吐き気を覚えたという。それでも一度はチームと一緒に球場入り。しかし、首脳陣は試合に出られるコンディションではないと判断し、球団が手配したタクシーで埼玉県所沢市内の病院へ移動。緊急検査を受けた。

 MRI(磁気共鳴画像装置)、血液、心電図検査で異常は見つからず、疲労性による体調不良と診断された。ただ、梨田監督が「検査結果も疲れとしか言いようがないみたいで、原因がこれというのはない」と話したように、事実上の「原因不明」。実は中田がめまいなどの症状を起こしたのは最近1カ月内でこれが3度目。最初は8月25日の楽天戦(札幌ドーム)。2度目が梨田監督が今季限りでの退任会見を行った15日のロッテ戦(東京ドーム)。いずれも強行出場こそしたが、15日は試合前の練習をキャンセル。球場入り後にめまいを起こしベンチ裏で横になって休んでいた。9月は17試合で62打数14安打、打率・226。本塁打はわずか1本。そんな打撃不調もコンディションとは無関係とは言い切れない。福島チーフトレーナーは「食事も睡眠もとれている。熱も関節の痛みもない。原因がはっきりしないので一度検査にいこうということになった」と検査に至った経緯を説明した。

 4年目でようやくレギュラーをつかんだ中田にとっては、ここまでプレッシャーの連続だった。開幕からチームで唯一全試合に出場し、チームトップの82打点をマーク。74試合で4番も任されてきた。梨田監督も「代われるものならば、代わってあげたい。故障ならばごまかしてやれるけど、体調はそうもいかない。ちょっと心配やね」と表情を曇らせた。原因が特定されないことで、さらに不安が募る離脱。シーズン残り22試合、そしてCS。これからが正念場だけに、中田が今後も慢性的に同様の症状を訴えるようであれば、チームは苦しい戦いを強いられることになる。

 ▼福田医院(神奈川県横浜市)の福田伴男院長(74)の話 内科医として先入観のない考えをいえば、「メニエル症候群」の可能性も考えられるでしょう。めまいや吐き気ということで、頭部のMRIで脳腫瘍や動脈瘤(りゅう)がないかも確認したはずです。メニエル症候群は、運動やスピード感覚をつかさどる「三半規管」「前庭器」が失調状態になること。船酔いと似たような感じです。原因として考えられるのは過労やストレスなど。中田選手は頑丈でたくましい体をしていますが、そんな体格は関係ありません。選手として責任感があればあるほど、ストレスも大きいでしょう。仮にメニエル症候群ならバランス感覚が正確ではなくなるため打撃などにも影響は出るはずです。今後は休養と同時に点滴、投薬などが必要になります。

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2011年9月21日のニュース