ロッテ球団トップ2辞任…生え抜き選手の放出で食い違い

[ 2011年9月19日 06:00 ]

<ロ・オ>試合前に衝撃が走ったロッテ。チャンピオンフラッグがむなしくなびく

パ・リーグ ロッテ6―7オリックス

(9月18日 QVCマリン)
 最下位に沈むロッテに激震が走った。瀬戸山隆三球団社長(58)が18日、今季限りで辞任することを明らかにした。石川晃球団運営本部長(50)も辞任する。ともに後任は未定。リーグ3位から日本一に上り詰めた「史上最大の下克上」からわずか1年足らず。補強面で重光昭夫オーナー代行(56)サイドとの意見の食い違いなどから、球団トップ2が入れ替わる異例の事態となった。

 オリックス戦前に会見した瀬戸山球団社長は西村監督の来季続投を正式発表した後、自らの去就について口を開いた。

 「私は今季で退任します。8年もやったらくたびれる。去年は日本一になった。一回ゆっくりさせていただきたい」

 瀬戸山社長はダイエー(現ソフトバンク)の球団代表を経て04年にロッテ球団代表に就任。06年から社長を務めてきた。05年、昨年と2度の日本一に輝き、経営面でも昨年は前年比13億円減の約20億円まで赤字を削減。また08年オフにダイエー時代からの腹心である石川本部長(当時球団副代表)を招くと、練習量不足で低迷していたバレンタイン体制を一掃し、二人三脚でチーム強化に努めてきた。日本一となった昨季から1年も経過しない時期に突然の辞任表明。背景には補強面で重光オーナー代行サイドとの意見の食い違いがあったと指摘する声がある。

 事実上の現場トップである石川本部長は「チーム強化には血の入れ替えが必要」と積極的にトレードを行ってきた。久保や清水ら生え抜きの主力も放出。本社サイドから赤字削減を厳命されており、高額年俸のFA選手の引き留めにも消極的にならざるを得なかった。

 昨オフは主力投手のトレード話を進める球団に選手が反発。今年6月には選手会長だったサブローが巨人にトレード移籍した。ある主力選手は「次は誰が出されるのか心配で仕方ない。みんなそう話している」という。選手間の不満の声はオーナーサイドの耳にも入った。加えて最下位低迷。球団経営をフロントに一任してきた重光オーナー代行も不信感を抱き、蜜月関係に亀裂が生じたようだ。

 瀬戸山社長は「組閣に関しては白紙」としたが、西村監督の強い意向で日本ハムのヘッドコーチ・福良淳一氏の招へいは決定済み。また、金森打撃コーチ、高橋2軍監督、西本2軍投手コーチは退団する。昨季の日本一チームは嵐のオフに突入しそうだ。

 ◆瀬戸山 隆三(せとやま・りゅうぞう)1953年(昭28)9月18日、大阪市生まれの58歳。大阪市立大出身。77年ダイエー入社、88年福岡ダイエー球団へ出向。93年同常務取締役代表、02年パ・リーグ理事会理事長、04年3月に千葉ロッテ球団取締役代表。同年の球界再編問題の際には、選手会側との交渉役を務めた。06年から現職。

 ▼ロッテ・石川晃球団運営本部長 社長とは二人三脚でやってきた。当然、私も退任する意向を固めました。(任期は)短かったがフロントとしてある程度、基盤はつくれた。

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2011年9月19日のニュース