沢村 新人王見えた!7回零封&タイムリーで7勝目

[ 2011年9月15日 06:00 ]

<横・巨>勝利投手の沢村はスタンドの声援に応える

セ・リーグ 巨人6-2横浜

(9月14日 横浜)
 投げて打っての独壇場だ!巨人の沢村拓一投手(23)は14日、横浜戦で7回を5安打無失点と好投し、両リーグ新人トップタイの7勝目をマーク。打線の援護に恵まれずに約1カ月間、白星から遠ざかっていたが、4回には自身初の長打となる適時二塁打で一挙4得点の猛攻を演出した。連続無失点を18回に伸ばし、防御率2・22はリーグ4位に浮上。新人王へ一直線の黄金ルーキーは勝負の9月に凄みを増してきた。
【試合結果】

 「好投手」から「勝てる投手」に――。8月19日のヤクルト戦(東京ドーム)以来、約1カ月ぶりの今季7勝目を手にした沢村の表情には風格が漂っていた。「1つ死球も与えたけど内角を強く突けた。リードしてくれた阿部さんのおかげです」。覚醒を予感させる7回無失点。この日も攻撃的な投球を貫いた。

 初回の7球はオール直球。102球のうち65球が直球で、9奪三振のうち、直球で6個奪った。前回8日の中日戦(ナゴヤドーム)でも10回無失点と好投した右腕に、川口投手総合コーチは「前回もそうだけど直球を多くしているからスライダーもポイントで効いてくる。フォークも要所で決まったね」と評価した。

 中大時代、沢村がプロ野球中継をテレビで見るときに、興味深く見るデータがあった。「投球内容でストライクが何球、ボールが何球って出るじゃないですか。僕はボール球を空振りさせてストライクにする投手になりたい」。そのための方法論。「打者に踏み込ませないというのが第一。外のスライダー、変化球が生きてくるためにも内角に投げないと踏み込まれる」と確立していた。

 シーズン前半は内角に投げきれずに真ん中に入り、手痛い一打を食らっていたが、そんな姿はもうない。2回には金城に死球をぶつけても、ひるまない。続く黒羽根にも初球に内角直球を投じて右飛に仕留めた。7回1死一、三塁では代打ハーパーを内角高めのボール球で三振に斬った。理想の投球を具現化した場面。前夜はエース内海を立てた試合でサヨナラ負けしただけに、嫌な流れを食い止めるルーキーの快投に、原監督も「隙がなかった。彼の良さである向かっていくところが出ていた」と絶賛した。

 打撃では2回にスクイズ失敗も、4回に2点目を追加するプロ初長打の中越え適時二塁打。「先制の場面でスクイズを失敗したのを反省しないと」と振り返ったが、きっちり借りは返した。

 新人最多タイの今季7勝目でリーグ4位の防御率2・22。過去に防御率2・50を上回ったルーキーは全員新人王を獲得している。心強いデータでタイトル争いでも大きく前進した。「何としても優勝したいし、その気持ちだけ。この投球を続けられるようにしたい」。次回登板は中5日で20日の首位・ヤクルト戦(東京ドーム)。18回連続無失点の右腕に、もはや恐れるものは何もない。

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