田沢 昇格即登板!1回1失点もバティスタ斬り

[ 2011年9月15日 06:00 ]

ブルージェイズ戦の9回に登板し、1回を2安打1失点だったレッドソックス・田沢

ア・リーグ レッドソックス18―6ブルージェイズ

(9月13日 ボストン)
 昨年4月に右肘の腱移植手術(トミー・ジョン手術)を受けたレッドソックスの田沢純一投手(25)が13日(日本時間14日)、ブルージェイズ戦でメジャー昇格即登板を果たした。大リーグでの登板は09年9月4日のホワイトソックス戦以来、739日ぶり。13点リードの9回に3番手としてマウンドに上がり、1回を2安打1失点だったが、リーグトップの42本塁打を誇るホセ・バティスタ外野手(30)を空振り三振に仕留めるなど、復活への第1歩を記した。
【試合結果】

 さまざまな思いがこみ上げていた。9回。ブルペンを1歩出たところで、田沢はグラブを顔に当て、立ち止まった。

 「この2年間、いろんな人が力を貸してくれた。やっとここまで来た、と気持ちを整理した」

 739日ぶりのメジャーのマウンドに、背番号63が戻ってきた。

 登録即登板は、メジャーデビュー戦となった09年8月7日のヤンキース戦と同じだった。初球は93マイル(約150キロ)の直球。2本の二塁打を許して1点を失ったが、2年連続本塁打王へ独走中のバティスタを2ボール2ストライクから内角高めの直球で空振り三振に仕留めた。最速93マイルが6球。「2年前はファウルされた直球で、空振りが取れるようになってきた」と納得の表情だった。

 昨年4月6日に右肘の腱移植手術を受けた。今年5月に1Aに合流してから、2A、3Aと1歩ずつ階段を上がってきた。「元ある腱よりも強い腱で、絶対に術前より強くなる」と自分に言い聞かせてきた。腕を振れない分、体を鍛え上げ、下半身、上半身とも大きくなった。「実績なんかない僕でもメジャーで投げ続けられれば、何か感じてくれる人もいると思う」と話したことがある。支えてくれた人、応援してくれた人、同じ故障に悩む選手。孤独なリハビリを耐え抜いた自らの2年分の思いをも背負い、27球、腕を振った。

 「素直にうれしい。目標としていた場所にやっと来られた」。喜びをかみしめても、これで納得するわけにはいかない。「マイナーでできていた直球で追い込み、スライダー、フォークで決めることができなかった。全体的にボールも高かった。2年ぶりのメジャー公式球に対応できなかった。悔しい」

 戻ってきただけでは意味がない。残り2週間の戦いは来季の契約延長にも直結する。田沢の目線はもう次へと向いている。

 ▼レッドソックス テリー・フランコナ監督 手術からの復帰だから毎日投げさせることはしないが、勝利に貢献してくれる投手だ。

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2011年9月15日のニュース