斎藤にやり返した!寺原 今季初無四球完投勝利

[ 2011年9月4日 06:00 ]

<オ・日>9回、代打・二岡を遊ゴロに打ち取りガッツポーズの寺原

パ・リーグ オリックス3-2日本ハム

(9月3日 京セラD)
 引き締まった表情が一気に崩れた。わずか1点のリードで迎えた9回2死一、三塁。代打・二岡をこん身のスライダーで遊ゴロにしとめると、オリックス・寺原はホッとした表情で大きく息を吐き出した。

 「ヤバかったです。最後は心臓が飛び出るかと思いました」

 斎藤との投げ合いを制し、今季初の無四球完投勝利。07年にマークした自己最多勝利数にあと1勝に迫る11勝目は、チームに6連勝をもたらす貴重な勝ち星となった。

 初回に4安打で2点を失い、自身4試合連続の初回失点を喫した。だが右腕はここから冷静に自らの投球を立て直した。

 「テンポよく、自分のリズムを心がけて投げたら、フォームが安定してスライダーが低めに決まりだした」

 2回からは抜群の安定感を取り戻し、得点圏に走者を置いたのは最終回だけ。岡田監督も「最後まで1人で行け、言うとったからな」と絶大な信頼感を口にした。

 個人的な思いも果たした。斎藤とは8月20日の試合(札幌ドーム)で対戦。寺原は7回途中2失点の力投を見せながら、5回無失点だった斎藤に4勝目を与えた。

 「この前は負けているので、負けるわけにはいかないという気持ちはありました」

 斎藤の自責点は0だったが、打線との共同作業で黒星を付けた。球界の先輩としての意地を投球で示した。

 3試合連続の1点差ゲームを制し、今季3度目の6連勝。借金を2まで減らした。岡田監督にとって、この日は1986年に他界した父・勇郎さん(享年55)の命日。2年連続の勝利となった。「1試合、1試合よ。9月に入ったらな。計算はしてないよ」。星勘定する時期は終わった。残り35試合先のゴールに向け、岡田オリックスが総力で戦う。

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2011年9月4日のニュース