村中に続いた!由規7勝目 打っては先制タイムリー

[ 2011年9月4日 06:00 ]

<ヤ・巨>5回2死一、二塁、先発・由規が長野を空振り三振に抑え雄叫びを上げる

セ・リーグ ヤクルト10-7巨人

(9月3日 神宮)
 大雨でびしょ濡れになっても、お立ち台なら気分は格別だ。7回2失点で7勝目を挙げたヤクルト・由規は、「気合だけで投げた。(2日に完投勝ちした)村中さんがこれ以上ない投球をしたので、それに続けと、自分に重圧をかけて臨みました」と勝ちどきを響かせた。

 気持ちは投球に表れた。初回から3回まで、投じた変化球が8球連続でストライクゾーンに決まった。変化球の制球が定まらず四球を重ね、長打を浴びるのがKOパターン。「悪い時は頭が動くから右腕が体から離れてしまう」とフォームを映像で何度も確認し、ネットスローで頭のぶれないフォームを徹底させた。その成果が2年ぶりの無四死球に表れた。荒木チーフ兼投手コーチも「そこが成長。珍しく変化球でストライクが取れて直球もより生きた」とうなずいた。

 バットでも貢献した。2回2死一、三塁では右前にポトリと落ちる先制適時打。「あれで乗っていけた」。1球ごとにバットを寝かせたり、短く持ったり、打席でも試行錯誤する姿勢が、幸運な決勝打を呼んだ。この日は母・美也さんの52歳の誕生日。昨年の同日に続く連勝に「父の誕生日はなかなか勝てないんですが…」と照れ笑い。ウイニングボールが2年連続のプレゼントとなった。

 これで今季の神宮での対巨人戦は4勝2分けと負けなし。後半戦開始前、小川監督は「いつまでも石川、館山じゃダメだ。これからは由規、村中が頑張らないと」と繰り返した。その館山が右手中指の血行障害などで戦線離脱する中、首位攻防戦で狙い通りに村中、由規の「2段ロケット」が点火。チームは8月は7勝15敗3分けと大きく負け越したが、9月に入って3戦3勝。並ばれそうで並ばせないのが、地力の証明だ。

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2011年9月4日のニュース