3ラン被弾で冷や汗も 斎藤やっぱり“持ってる”5勝目

[ 2011年8月28日 06:00 ]

<西・日>8回1死一、二塁、中村に3ランを浴びて、膝をつく斎藤

パ・リーグ 日本ハム4-3西武

(8月27日 西武D)
 4点リードの8回1死一塁。2ストライクと追い込んだ中島に、日本ハム・斎藤は外角直球を投げ込んだ。

 「見逃し三振を狙った」

 結果的に左前打を許し、中村には初球のフォークが落ちきらず左翼席まで運ばれた。これで交代。7回まで無失点。初完封も見えていただけに女房役の鶴岡は「中島に打たれた球は外すつもりだった。もったいない」と残念がったが、ベンチに下がった斎藤の表情には笑みが浮かんでいた。

 プロ最長の7回1/3でプロ最多の115球。未知の領域となった8イニング目で被弾したことに「(中村を)もちろん意識した。一番嫌だったのが本塁打。完全な失投、プラス実力不足ですね」。打たれて反省したのが中村なら、抑えて自信としたのも中村だ。初回1死一、二塁。直球でファウルを誘い、フォークで投ゴロ併殺に仕留めた。4回無死二塁では変化球で追い込んで、内角低めの142キロ直球で見逃し三振。150キロを超える剛速球はなくても相手打線を抑える。斎藤が春季キャンプからこだわってきたのがこの直球だった。

 投球動作で体重が前に乗らない斎藤は、リリースポイントも後ろになり打者に球筋を見極められることが多かった。後半戦は登板のない日でもブルペンでフォーム修正に取り組んでいる。3メートル手前にベースを置いたり、マウンドの傾斜を逆に使っての投球。半分の距離でワンバウンドさせるなど、踏み出す左足に体重が乗らないと克服できない練習で、自然とリリースポイントは前に出た。打者に近い位置での球離れでタイミングを外す。練習は徐々に結果として表れている。

 チームの連敗を4で止めた5勝目。斎藤は「5勝はひとつの目安。ただチームは首位争いしているし6、7勝と積み重ねなければいけない」と一段上の目標を口にした。首位のソフトバンクとは4ゲーム差。一皮むけた斎藤の投球が、逆転Vの可能性を引き寄せる。

 ≪3ランは初被弾もやっぱりツキある≫斎藤(日)が7回1/3を3失点で今季5勝目。投球回としては6月29日ロッテ戦の7回を上回る自己最長イニングになった。8回中村(西)に3ランを浴びたが、これまでの被本塁打はソロ3本、2ラン1本。走者2人を置いての一発は初めてだ。また打たれたのは初球。直前まで斎藤は初球打ちの成績が32打数で単打のみの3安打(被打率・094)。初球での初長打が本塁打になった。もっとも斎藤が本塁打された試合にチームは4勝0敗。自身も4月17日ロッテ戦、同24日楽天戦、この日と3勝しておりツキがある。

 ▼日本ハム・梨田監督 斎藤はよかったね。西武ドームのマウンドはプロになってから初めてなのに、ここが合っているのかな。ヒットを打たれてもリズムもよく、もう一回、もう一回と投げていた。持っている男だし、完封と言わず、次回は完全試合を期待するよ。

 ▼日本ハム・吉井投手コーチ 今は一生懸命に直球のコントロールを磨いているところ。もともとピンチでも逃げるような投手ではないし、勝負どころでの押しどころも知っている。調子は普通。でも、これくらいの投球ができる。

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2011年8月28日のニュース