制球重視のファーストストライク狙い ロッテ3球で先制

[ 2011年8月28日 06:00 ]

<オ・ロ>初回1死三塁、井口が右前に先制適時打を放つ

パ・リーグ ロッテ3―1オリックス

(8月27日 京セラD)
 立ち上がりはテンポよくストライク先行で――。そんな投手心理を逆手に取ったロッテ打線が鮮やかに先制点を奪った。立ち上がりに不安を持つオリックス先発の寺原隼人投手(27)から、初回わずか3球の間に先制。淡泊な早打ちではなく、データ的な裏付けがあっての浅いカウントでの仕掛けで試合の主導権を握った。

 初回1死から早坂は初球を左前打。続く井口への初球、二盗が捕手・伊藤の悪送球を誘うと三塁へ。直後の2球目を井口が右前に運んだ。ここ5試合で6点と元気がなかったロッテ打線は、見違えるような積極攻撃で先制点を奪った。続くカスティーヨも初球から打って出た。結果、空振りとなったが最後は左前打で加点した。

 単なる早打ちとは違う。データ的な裏付けがあった。相手先発の寺原は今季試合前まで114回1/3で25四球。54回で24四球だった昨季と比べて格段に制球力がアップしている。青山総合コーチは「以前と比べて制球が良くなっている。逆に言えば四球を出したくなくて、ストライクをそろえてくる傾向がある」と分析していた。今季、寺原とは10メートルを超す強風の中、QVCマリンで2度対戦して1勝1敗。だが、風のない京セラドームならばより制球が安定する。そのファーストストライクを狙い打つようベンチからは指示が出ていた。

 7試合ぶりの先制点。今季チームは先制すれば30勝16敗5分けで勝率は・652。井口は「ここ数試合、先制されて負けているので何とかしたい気持ちがあった」。連敗脱出へ先制点はどうしても欲しかった。2回以降はコーナーに球を散らし始めた寺原に完投を許しただけに価値ある2点。西村監督が「初回のチャンスをものにしてくれた。あれで流れに乗れたと思う」とうなずく先制攻撃だった。

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2011年8月28日のニュース