「相双福島」秋の県大会地区予選で延長11回の末敗れる

[ 2011年8月27日 17:14 ]

延長の末、相馬高校に惜敗した相双福島ナイン

 福島第1原発事故の影響で生徒の転校が相次ぐなどし、部員不足に陥った福島県の県立高校3校の野球部が結成した「相双福島」が27日、相馬市で開かれた秋の県大会地区予選に出場し、相馬高と延長11回の末、7―8で敗れた。

 合同チームは夏の大会に出場した「相双連合」に続き2例目。双葉町の双葉高、南相馬市の原町高、相馬農高の部員で7月に結成、選手13人中、相馬農高の2人は相双連合に続いての参加となった。

 ユニホームは各校ばらばらとなったが、帽子を統一。白地に、原町高と相馬農高各チームカラーの紺、双葉高の緑の二色で「相双」2文字を重ねて入れた。

 試合前に選手たちは円陣を組み、双葉高2年の西山樹主将(17)の声に合わせ、東日本大震災の犠牲者に黙とう。観客席では夏の大会を戦った各校の元選手が“後輩”を応援した。

 模擬試験の昼休み中に駆けつけた原町高3年の梅田叡一君(18)は「チームが変わっても、後輩の母校のユニホーム姿を見るのはうれしい」と笑顔。

 双葉高3年で元主将の岩田智久君(17)は「思ったより良い仕上がり。1週間後の敗者復活戦では、反省を生かして県大会に進んでほしい」とねぎらった。

 相双福島の3校はいずれも福島第1原発から半径30キロ圏内にあり、別の学校に間借りして授業を続けている。

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