塩見 イメージ逆手に“最大の武器”隠して主軸斬り!

[ 2011年8月22日 06:00 ]

<ソ・楽>5勝目を挙げた塩見は笑顔でナインを出迎える

パ・リーグ 楽天7-2ソフトバンク

(8月21日 ヤフーD)
 新人投手とはいえ、今季4度目の対戦となれば、相手も当然、投球のイメージはつかんでいる。リーグ新人単独トップの5勝目。楽天のドラフト1位・塩見貴洋投手(22)はそれを逆手に取り、最大の武器をあえて使わずに主軸を封じた。

 塩見の持ち味は「クロスファイア」と呼ばれる、右打者の内角に対角線に食い込む直球だ。初回1死二塁のピンチで、打席には内川。1ボール2ストライクと追い込むと、勝負球には外角のフォークを選択した。ファウルにされたが、5球目も外角にフォークを連投し遊ゴロに仕留めた。

 左の松中を四球で歩かせ、2死一、二塁でカブレラとの対決。ここでも内角直球は投じずに外寄りのフォークで二飛に打ち取った。初めてバッテリーを組んだ伊志嶺は「塩見は右打者の内角を攻めるのが得意。相手も意識しているので、外の変化球を多めに使った」と意図を説明した。

 塩見の被打率は対左打者の・274に対して、対右打者は・231。左腕なのに右打者を得意とするのは、威力のあるクロスファイアがあるからだ。だが、初回の得点圏に走者を置いた場面で迎えた内川、カブレラの2人の右打者に対して投じた8球中、クロスファイアは1球だけだった。三輪バッテリーコーチも「嶋と違うリードをしていた」と、伊志嶺の好リードを勝因に挙げた。

 ソフトバンクとは5月5日(ヤフードーム)にプロ初勝利を挙げてから、早くも4度目の対決。対戦を重ねれば当然、研究される。実際、ソフトバンク・立花打撃コーチは試合前に「(右打者に)真っすぐで突っ込んでくる」と印象を語っていた。「おごることなく、これからもどんどん勝っていきたい」と話した塩見。武器を隠すことも武器となる。

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2011年8月22日のニュース