光星学院11年ぶり4強!エース秋田 1失点完投

[ 2011年8月18日 06:00 ]

<東洋大姫路・光星学院>11年ぶり4強!勝利にハイタッチで喜び合う秋田(中央)、松本(右)ら光星学院ナイン

第93回全国高校選手権大会準々決勝 光星学院2―1東洋大姫路

(8月16日 甲子園)
 準々決勝2試合が行われ、光星学院(青森)は東洋大姫路(兵庫)に逆転勝ち。青森県勢としては00年の同校以来、11年ぶりのベスト4進出を決めた。今大会初先発のエース秋田教良投手(3年)が、8安打を浴びながら1失点完投。69年の三沢以来、42年ぶりの決勝進出、そして東北勢初の全国制覇も視野に入ってきた。また、関西(岡山)は如水館(広島)に快勝し初の4強入り。18日は準々決勝残り2試合が行われる。また準決勝の組み合わせも決まった。

 これぞエースの投球だった。最後の打者を遊飛に打ち取ると、秋田はガッツポーズ。「原君に投げ勝ったのはうれしい。ここで倒れてもいいというくらいの気持ちで投げた」。プロ注目の好投手とのエース対決に勝利。握りしめた両拳には確かな手応えがあった。

 「夏の大会は1人じゃ勝ち上がれない」という仲井宗基監督の考えで、2、3回戦は2本柱の一角、川上に先発を譲った。3回戦の徳島商戦では救援で6回3安打無失点と好投したが、先発マウンドは7月26日の青森大会決勝以来、22日ぶりとあって「1、2回まではガチガチだった」という。5回まで毎回走者を許す苦しい内容に、仲井監督からは「気迫が足りない。もっと気持ちを出せ」とゲキも飛んだ。それでも「走者を出してからの粘りが持ち味」という。終盤は相手のスライダー狙いの意図を感じ取って最速145キロの直球中心の配球に変更。6回以降は1安打に抑えた。

 光星学院が前回4強に進出したのは、00年。当時の主将で、今年4月に就任した小浜巧聖コーチの助言も効果的だった。秋田は青森大会準々決勝の青森山田戦に先発したが、20安打10失点と打ち込まれた。15―10で勝利した試合後、同コーチから「打たれるとカッカしていたけど、夏は打たれるもの」と諭された。この日も、冷静に配球パターンを変えるなど高い修正能力を発揮。自慢の打線は内野ゴロ2本で挙げた2点だけで、仲井監督も「勝ちに不思議の勝ちあり」と元楽天監督の野村克也氏の格言を引用したが、それを可能にしたのが秋田の粘りだった。

 69年の三沢、00年の同校に続いて青森県勢としては夏は3度目の準決勝進出。被災した東北地方の最後の砦(とりで)としての期待も高まる。「東北地方最後と言われるけど、試合に集中する。歴史を塗り替えるためにも頑張りたい。次も1人で投げます」。東北に悲願の優勝旗を――。その使命を背負う秋田が、あと2つ白星を積み重ねる。

 ≪青森勢の4戦全勝≫光星学院が東洋大姫路に勝利。夏の青森勢VS兵庫勢は07年1回戦(青森山田5―0報徳学園)以来で、青森の4戦全勝。これで青森勢は春夏通算40勝(春6勝、夏34勝)となった。光星学院は春夏通算12勝で、青森山田の11勝を抜き県単独最多に。夏通算11勝は同校と並び県最多タイ。

 【青森勢過去の夏4強】

 ☆69年・三沢 エース太田幸司(元近鉄)を擁し、1回戦は大分商に延長10回の末、3―2で勝利。2回戦の明星(大阪)戦は2―1、準々決勝の平安(京都)も2―1、準決勝は玉島商(岡山)に3―2で勝って県勢初の決勝進出。松山商(愛媛)との決勝では太田が、相手のエース井上と壮絶な投手戦を繰り広げ、延長18回の末、0―0で引き分け、決勝では史上初の再試合となった。翌日の再試合は2―4で敗れたが、悲運のエース・太田は、元祖アイドルとして大フィーバーを巻き起こした。

 ☆00年・光星学院 エース根市寛貴(元巨人)を擁し、3年ぶりに夏の甲子園に出場。初戦の2回戦は丹原(愛媛)を10―8で下すと、3回戦の九州学院(熊本)戦は4―3、準々決勝は樟南(鹿児島)に2―1で勝利し、69年の三沢以来、31年ぶりに4強進出。準決勝では5―7で智弁和歌山に敗れた。

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2011年8月18日のニュース