サヨナラ呼ぶ男!斎藤元同僚斬りで4勝!M33点灯

[ 2011年8月18日 06:00 ]

ナ・リーグ ブルワーズ2―1ドジャース

(8月16日 ミルウォーキー)
 優勝マジック点灯だ。ブルワーズの斎藤隆投手(41)が16日(日本時間17日)、古巣のドジャース戦で4勝目を挙げた。1―1の9回に登板し、クリーンアップを3者凡退に仕留め、直後にチームはサヨナラ勝ちした。自身の持つ日本人投手のメジャー最年長勝利記録を更新すると同時にチーム29年ぶりの地区優勝へマジック「33」を点灯させた。

 「サヨナラ」を呼ぶ男。斎藤は万歳をしてグラウンドへ飛び出した。9回無死満塁からコッツェーが中前打してサヨナラ勝ち。4勝目を手にした41歳は若いナインとハイタッチを繰り返した。

 「勝ちも凄くうれしいが、いい仕事ができているのが何より」

 セットアッパーのロドリゲスと守護神アクスフォードが休養日で、9回に出番が回ってきた。相手はド軍時代から知る選手たちだった。「顔を見ないようにした」と話したが、3番・イーシアは低めの速球で左飛、4番・ケンプはスライダーで遊飛に仕留めた。10球で3者凡退。勝利への流れをしっかりつくった。

 前回登板となった14日のパイレーツ戦でも、1―1の延長10回に登板。無失点で抑え、直後にサヨナラ勝ち。これで登板2試合連続勝利投手となり、左太腿裏痛、左脇腹痛などの故障から復帰した7月2日から、1カ月半で4勝を挙げている。

 41歳183日での勝利は自身の持つ日本投手のメジャー最年長勝利記録を更新した。「力が落ちている」ことは自覚している。150キロを超える速球とスライダーでねじ伏せるスタイルを変えた。「1回シュートを見せるとそれを待って打ちたがる傾向がある。だからスライダーが効いてくる」。シュートを織り交ぜ、カーブの割合も増やした。「そういう投球ができるのかと半信半疑だったが、できるできないではなく、やろうと思った」と力を込めた。

 チームは最近20戦で18勝。2位カージナルスとの差を7ゲームに広げ82年以来の地区優勝へマジック33が点灯した。だが、斎藤に慢心はない。ドジャース時代の07年9月18日ロッキーズ戦。9回に逆転2ランを浴びて敗戦。同戦以降、チームは失速してプレーオフ進出を逃した苦い経験がある。

 「もっと喜びたいけど、それが油断になりかねない。一つ一つ戦う」

 東日本大震災で、父親の実家がある宮城県東松島市野蒜地区は壊滅的な被害を受け、伯父ら近親者は避難所暮らしを余儀なくされた。日米通算20年目。今年は斎藤にとって特別な年である。

 ≪日本投手のメジャー年長勝利≫斎藤はこの日が41歳183日で、自身の持つ日本投手メジャー最年長勝利を更新。斎藤は40歳だった昨季2勝、今季は4勝しており、勝利時点の高齢ランキングでは上位6位までを占めている。また、ブ軍の最年長勝利は2010年6月20日のロッキーズ戦で勝利したトレバー・ホフマンの持つ42歳250日。斎藤がこの年齢に達する来年10月21日はレギュラーシーズンが終了しているため、記録更新には少なくとも2013年まで現役を続ける必要がある。

 ▽ブルワーズのマジック点灯 マジック対象は2位カージナルス。ブ軍とカ軍はともに残り39試合で、6試合の直接対決を残している。仮にカ軍が残り39試合に全勝しても、104勝止まり。一方、ブ軍はカ軍との直接対決6試合を全敗しても、残り33試合に全勝すれば、105勝に達する。3位以下の球団はすでに自力優勝の可能性は消滅しており、16日に地区優勝マジック33が点灯した。

 ▼ブルワーズ、リック・クラニッツ投手コーチ 10球で3つのアウトを取り、流れを引き寄せてくれた。さすがベテラン。彼が出ると勝利を呼び込んでくれる。本当にいなくてはならない存在だ。

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