ダルのツーシームも再現 町工場が開発した凄いマシン

[ 2011年8月17日 16:55 ]

二つのローターがねじれた位置に配置された「ピッチャー再現マシン」

 大分市の町工場が開発した「ピッチャー再現マシン」が野球界で注目されている。難しいとされてきたプロが投げる変化球の球筋を再現できるためで、対戦校のエース対策に高校の野球部などが導入。今夏の全国高校野球選手権大会には納品先の2校が出場した。

 開発したのは「ジャイロ技研」(馬場豊治代表)。マシンは上下に並んだ二つのローター(回転板)の間に球を挟んで飛ばす方式。上から見ると、二つのローターは交差するような「X字形」で、ボールの回転軸を自由に設定できるのが特徴だ。

 馬場代表は「ローターの回転数や回転軸などを調整すれば、どんな変化球でも投げられる」と胸を張る。日本ハムのダルビッシュ有投手のツーシームも再現できるという。

 2010年8月にマシンを導入、6年ぶりとなる夏の甲子園出場を果たした茨城県立藤代高。菊地一郎監督は「手もとで曲がる“生きた”変化球を投げる。衝撃を受けた」と評価する。8年ぶり22度目の出場だった静岡県立静岡高は、09年春からバント練習などに活用している。

 ジャイロ技研は、馬場代表と従業員1人だけの小工場で、マシンの修理や整備などに課題が残る。馬場代表は「コンピューター制御によるマシンの自動化も視野に入れ、さらなる改良を目指したい」と話している。

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2011年8月17日のニュース