小倉マジック!日大三“残像”生かして強打対決制する

[ 2011年8月17日 06:00 ]

<日大三・智弁和歌山>8回裏、菅沼は左越えソロを放つ 

第93回全国高校野球選手権3回戦 日大三6-4智弁和歌山

(8月16日 甲子園)
 あまりの速さに野手も凍りつく。それほど速い打球だった。強打なら負けない。日大三打線の放つ一打一打には、誇りと自信が満ちていた。

 「おまえら、打ち合いは自信あるんだろ?」。小倉全由監督はそんな言葉でナインに魔法をかけた。智弁和歌山と注目の「強打対決」。プライドをくすぐられ、迎えた初回2死二塁で4番・横尾だ。外角チェンジアップをとらえた打球は二塁手・川崎のすぐ横を抜ける。これで先制。公式記録でエラーとなった一打は、あまりの打球の速さで「中前打」と訂正された。続く高山の一打は右翼へ。右翼手・山本が振り返ったとき、打球はフェンスにぶつかっていた。驚がくの三塁打。この2安打が試合の流れを決めた。

 「向こうも強打のプライドがあるから初回0点の裏の得点は大きい。真芯でした」。高山が言えば、横尾も「狙い通りです。去年の対戦の残像が少しあった」。智弁和歌山とは昨年5月に練習試合。この日と同じ青木に抑えられ、3―3で引き分けた。あれから1年2カ月。横尾は筋力アップに励み、去年二ゴロに倒れた同じ球を中前へ打ち返した。高山も試合用より8センチ長い1・2キロのバットを振り込んで、超速のスイングで三塁打を放った。各自の成長が3戦連続2桁安打で智弁和歌山を打ち砕いたのだ。

 「目標としてきた高嶋監督に勝てたのは自信になる。だけど、ここからが一番きつい」。強打対決を制し、小倉監督は準々決勝に目を向けた。次なる強打の標的は習志野が誇る3本の矢だ。

 ▼日大三・菅沼(8回にダメ押しソロ)西東京大会決勝でも神宮で本塁打を打ったけど、甲子園の方が歓声が凄かった。

 ≪今春関東大会では習志野に軍配≫準々決勝で対戦が決まった日大三と習志野は今春関東大会準決勝でも激突。日大三は背番号8の畔上が先発して2回までに7失点。1―9で7回コールド負け。昨春関東大会の準々決勝でも対戦しており、延長10回の末5―6で敗れている。甲子園で対戦するのは春夏通じて初めて。

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2011年8月17日のニュース