作新学院“因縁の対決”快勝!飯野 歯茎部分骨折も奮闘

[ 2011年8月17日 06:00 ]

<八幡商・作新学院>6回、内藤の中前打で三塁を狙った一塁走者・飯野(左)は三塁手・田中と激突する

第93回全国高校野球選手権3回戦 作新学院6-3八幡商

(8月16日 甲子園)
 因縁の対決を、作新学院が今度は一発で決めた。49年前のセンバツ準々決勝。0―0の延長18回引き分け再試合となった八幡商を再び相手にして、6―3で快勝した。

 先制打を含む3安打2打点ながら、6回の走塁で野手と激突して左上歯茎部分を骨折した飯野だったが「正直うれしい。チーム全員が打たせてくれたヒット」と腫れた口元を緩ませた。

 指揮を執る28歳の小針崇宏監督は、49年ぶりの再戦について「前の試合は前の試合」と選手たちに意識させてこなかった。その中でナインは14安打を放ち、バントもしっかり決めた。無失策で2年生エース大谷をもり立てた。3試合で計1失策の堅守からリズムをつくるパターンは栃木大会と同じ。そして同校の伝統でもある。

 八幡商を再試合の末に下した49年前はその勢いでセンバツを制した。同年夏も優勝して史上初の春夏連覇を達成して以来の8強入りを果たした飯野は「伝統はあるけど、自分たちの野球で歴史を変えたい。一つ一つ白星を積み重ねたい」と意気込んだ。

 出場メンバー中3年生は4人だけの若いチームが、伝統校に新たな歴史を刻み込む。

 ◆骨折 作新学院の飯野徹也選手(3年)は、八幡商戦の6回の走塁で三塁手と激突して上顎を強打。試合後に大阪市内の病院で左上歯茎部分の骨折と診断された。歯8本をワイヤで固定し、医師によると次戦の出場は可能という。

 ▽62年センバツの作新学院―八幡商 準々決勝で対戦。作新学院・八木沢と八幡商・駒井の投げ合いで、0―0のまま大会初の延長18回規定による引き分け再試合に(引き分け再試合としては8試合目)。翌日の再試合でも八木沢は5安打13奪三振の快投で八幡商を2―0で下した。勢いに乗った作新学院は決勝で日大三を破り優勝。優勝旗が初めて利根川を渡った。作新学院は八木沢を赤痢で欠きながら夏も制して、史上初の春夏連覇を達成した。

 ▼ロッテ・岡田(作新学院OB、小針監督は自身の1学年上の主将)凄いですね。(プロで)OBの現役は1人だけだけど、後輩が頑張っているのは刺激になる。僕も頑張らないといけない。

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2011年8月17日のニュース