雄星2勝目!MAX148キロでローテつかんだ

[ 2011年8月12日 06:00 ]

<西・日>3回1死一塁、菊池は、中田のインハイを攻める

パ・リーグ 西武9-4日本ハム

(8月11日 西武D)
 西武の2年目左腕、菊池雄星投手(20)が11日、日本ハムを相手に7回途中4失点でプロ2勝目、本拠地初白星をマークした。10安打を浴びながらプロ最速の148キロをマークするなど力強い投球内容に渡辺久信監督(46)はローテーション入りを口にした。11日は東北地方に甚大な被害をもたらした3月の東日本大震災から5カ月。菊池の熱投は復興途中の地元・岩手をはじめ、東北にも勇気を届けた。

 菊池が照れくさそうに2個目のウイニングボールを見つめた。プロ3度目の先発でつかんだ本拠地初勝利。お立ち台は自然と早口になっていた。

 「本拠地のファンの方が一番待っていてくれたと思うので。今まで恩返しができなかったので良かったです」

 プロ初勝利から42日。菊池の成長が詰まった投球だった。初回はわずか3球で失点したが、その後は立ち直った。躍動感あるフォームから、勢いある直球で積極的に内角を突いた。スライダー、チェンジアップも操って6回まで3失点。7回に2連打されて降板して「点を取ってもらった後だったのでピシャッと終わりたかった」と反省したが、味方の援護もあって2勝目を手にした。

 自己最長の6回0/3を投げ、自己最多の105球を投げても球威は変わらなかった。「前回は相手と戦う前に自分のフォームとかで戦っていた。きょうは細かいことは考えず投球のことを考えられました」。2軍で投げ込み、腕の位置は花巻東時代と同じスリークオーターで固めた。成果はプロ最速となる148キロの球速となって表れた。

 東日本大震災からちょうど5カ月。「なかなか上に上がれなかったのでこれから良いニュースを届けたい」と言った。徐々に復興する被災地。自身も投げる度に着実に階段を上っている。「盛岡での試合もあるので負けられない」。31日の楽天戦で凱旋登板することを大きな目標に掲げている以上、もう2軍に落ちるわけにはいかない。

 登板前に「今回は谷間の先発ではない。ローテーションの一角としての登板だからな」と菊池に声を掛けていた渡辺監督は「力いっぱい投げるだけじゃなくて、ピッチングになっていた。次の登板も期待できる」と合格点を与えてローテーション入りを認めた。「0で抑えられる投手になりたい。そのために1ランク2ランク上がっていかないと」と菊池。2勝目を挙げても満足することはなかった。

 ▼西武・星孝(菊池について)ファームの時よりも成長しているけど詰めの甘さもあった。今後は球界を代表する投手になっていくと思うので、そういうところが課題ですね。

 ▼日本ハム・糸井(5打数3安打に)威勢良く投げていた。僕はタイミングが合ったけど…。

 ▼日本ハム・福良ヘッドコーチ(菊池について)もう少しボールが荒れていると思ったが、意外とコントロールも良かった。空振りはそんなに取られなかったが、直球に力もあった。

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