7連勝&5割復帰の立役者…藤村“突っ走る”

[ 2011年8月11日 06:00 ]

<横・巨>8回2死満塁、ショートへの内野安打を放つ藤村

セ・リーグ 巨人8―7横浜

(8月10日 横浜)
 チームが復調した要因は豪快な一発攻勢が戻ったからだけではない。22歳の韋駄天(いだてん)、2番を任される藤村の足がひときわ輝きを放った。

 「足は持ち味。思い切ってやっている」

 勝敗を決定付けたのも、その足だった。3点リードの8回2死満塁。三遊間にゴロを放つと、一塁到達3秒8の俊足を生かして適時内野安打。この一打で今季4度目の猛打賞。「センター返しができている。(坂本)勇人さんが敬遠され、僕が走者を還そうと思った」と初々しい笑みを浮かべた。

 とにかく速い。4回には中前打で出塁し、小笠原の3球目ですかさず二盗。捕手の暴投を誘い、一気に三進すると、ラミレスの浅い右犠飛で余裕の生還。「足で還るために使われている。還るべきだと思います」と言い切った。

 07年度の高校生ドラフトで由規(ヤクルト)の外れ1位で入団。昨季まで3年間は1軍出場なしも、今季は64試合でリーグトップの17盗塁。足だけでなく、貪欲な姿勢が自身を成長させる。「交流戦で(楽天の)聖沢さんのリードを守備の時に見たら、凄い広かった。これぐらいリードしないと走れないと感じた」と、以降は3足分リードを広げた。背番号「54」は、熊本工の先輩・緒方耕一氏(背番号44)を超えてほしい、という原監督の期待が込められている。その緒方氏以来、巨人では18年ぶりとなる盗塁王に向け、「狙えるなら狙いたい」と意欲十分だ。

 チームは2年ぶりの7連勝で最大10あった借金を完済。6月4日以来の勝率5割に戻した。原監督は「藤村は(定位置を)離さないぞという気持ちが出ている。全てにおいて勝負師として勝負強い」と目を細める。球団史上前例のない2桁借金からの逆転優勝へ。藤村がノンストップで駆け抜ける。

続きを表示

この記事のフォト

2011年8月11日のニュース