智弁和歌山・山本 バックスクリーンへ特大3ラン

[ 2011年8月10日 06:00 ]

<花咲徳栄・智弁和歌山>3回、山本は北川から中越え特大3ランを放つ

第93回全国高校野球選手権大会1回戦 智弁和歌山11―1花咲徳栄

(8月9日 甲子園)
 走りだしてすぐに、右腕を突き上げた。0―0の3回2死二、三塁。高めの球を振り抜いた智弁和歌山・山本の打球は、バックスクリーンへ飛び込む特大の先制3ランとなった。

 「感触が良かった。いったと思った。甲子園で(本塁打を)打つのが夢だったし、甘い球が来たらガンガンいこうと思っていました」

 その裏の守備でも1死一塁から、右前への打球を三塁へ好送球。一塁走者を三塁で刺して、その後のピンチを1失点で切り抜けた。「肩には多少自信がある」と誇らしそうに笑った。

 期待の裏返しか、高嶋仁監督は山本に厳しい。今春のセンバツ後に1番打者から3番打者に代わったが、和歌山大会では初戦から常に途中交代させられた。左打者の山本が力任せに右方向に引っ張ると即交代。この日の試合前にも、指揮官は「言った通り逆方向への打撃をしないとすぐに代えるぞ」と通告していた。その中、逆方向への打撃に取り組み、フォームを修正。和歌山大会決勝では本塁打を放ち、そして甲子園初戦でも再びアーチを懸けた。

 自身の持つ甲子園最多勝利数を62勝に更新した高嶋監督は「彼の打ち方は中堅が伸びるんだよ。いいところを狙った」とようやく褒めた。その上で「去年は開幕日に負けちゃって、甲子園行った気がしなかった。次も気を緩めず積極的にいきたい」。11年ぶりの日本一へ、名将もナインもユニホームの基調の色と同様、心は朱色に燃えている。

 ◆山本 隆大(やまもと・りゅうた)1993年(平5)5月21日、和歌山県御坊市生まれの18歳。小学6年時に御坊ジュニアタイガースの投手として全国大会ベスト8。御坊中学でも日高マリナーズで投手としてプレーした。智弁和歌山では2年夏に背番号17の外野手としてベンチ入り。1メートル78、70キロ。右投げ左打ち。

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2011年8月10日のニュース