キャンプ撤退に落胆の声…県と安芸市「諦めない」

[ 2011年8月9日 20:53 ]

 プロ野球阪神1軍の春季キャンプがこれまでの高知県安芸市から撤退することが明らかになった9日、地元関係者からは落胆の声が相次いだ。県と市は「正式決定までは諦めない」と存続に望みをつないでいる。

 ビジネスホテルを経営する小谷昇さん(67)は「キャンプの時期は毎年ファンで満室になっていた。1軍が来ないと意味がない」と残念な様子。選手が宿泊するホテルの担当者も「もし決定ならとても寂しい。何とか残ってほしい」と訴えた。

 急な坂の上にある安芸市営球場内にはこの日、人影が見えず、近くの高校生たちは「毎年見に行っていたのに…」「やっぱり1軍が見たい」と口をそろえた。

 安芸市によると、春季キャンプの時期は平日で1万人、週末には2、3万人が来場。市も球場の愛称を「タイガース球場」と命名した経緯もあり、「球場改修も予定している。キャンプ存続は絶対に諦めない」と力を込める。

 球団側が撤退の理由に挙げるのは「対戦相手の不在」。他球団の1軍キャンプはほとんどが沖縄県で、高知県では対戦相手の確保が難しい。

 撤退の意向が伝わって以降、県は対戦相手の確保に動きだし、尾崎正直知事も「私自身が先頭に立ち、阪神1軍が(今後も)高知県に来てくれるよう取り組む」とのコメントを出した。

続きを表示

2011年8月9日のニュース