習志野“奥の手”本盗でダメ押し「ダメもとでサイン」

[ 2011年8月8日 06:00 ]

<静岡・習志野>7回、三塁走者・宮内が本盗を決める

第93回全国高校野球選手権大会1回戦 習志野6―1静岡

(8月7日 甲子園)
 完全に相手の虚をついた。習志野は7回に2―1と勝ち越した直後の2死満塁。左腕・原崎の足が上がった瞬間、三塁走者の宮内が本盗を敢行した。投球も外角低めに外れ、捕手のタッチより早く両手が本塁に触れた。

 甲子園に大きなどよめきが広がった。「フォームが大きくて警戒していなかったので、思いきって行きました」。50メートル走は6秒1。千葉大会決勝の3番から1番に打順が上がり、8回には満塁走者一掃三塁打を放った俊足の宮内は、お立ち台で満足そうに振り返った。

 千葉大会7試合で22盗塁に加え、37犠打。今年の習志野は細かい野球で得点を積み重ねてきたが、この日はことごとく打つ手が外れた。2回の先制点こそ得意のスクイズで奪ったが、その後は2度のバント失敗にけん制死。ヒットエンドランもバントエンドランも決まらなかった。それでも「奥の手」が残っていた。

 小林徹監督は「勝ち越した後だったので、タイミング的にはここかな、とダメもとでサインを出しました」としてやったりの表情。今春の関東大会王者は引き出しをたくさん持っている。

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2011年8月8日のニュース