初出場の至学館 交通事故死の元エースに勝利を

[ 2011年8月5日 06:00 ]

桐林史樹さんの遺影が見守る中、グラウンドへ飛び出す至学館ナイン

 甲子園練習は4日、最終日を迎え、出場49校全てが聖地での練習を終了。今年2月に交通事故で前チームのエースだった桐林史樹さん(享年18)を亡くした初出場の至学館(愛知)は、先輩へささげる勝利を誓った。

 ベンチから見守る遺影を背に、ナインは真っ先にマウンドへ向かった。18人で輪になり、帽子を取って青空を見上げる。「先輩も甲子園を目標にやってきたけど、果たせなかった。桐林さんの分まで戦う」。背番号1を受け継いだ2年生エース岩田が力を込めた。亡くなったのは2月15日。東名高速で桐林さんが乗った車がトラックに追突され、10人の死傷者が出た事故に巻き込まれた。

 桐林さんは大学でも野球を続ける予定で、事故の2日前まで練習に顔を出して後輩と汗を流していた。「打たれても笑っていろ、と言われてきた。笑顔を絶やさず投げたい」と岩田。愛知大会では勝利のたびにウイニングボールを家族の元へ届けた。甲子園初勝利のボールも必ず届ける。

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2011年8月5日のニュース