マエケン「最高です!」 今季初完封で広島は3位浮上

[ 2011年8月3日 06:00 ]

<横・広>完封勝利を挙げ、サファテ(左)と抱き合う前田健

セ・リーグ 広島2-0横浜

(8月2日 横浜)
 こん身の力を低めのチェンジアップに込めた。最後の打者スレッジを空振り三振に仕留めると、広島・前田健は雄叫びを上げながらガッツポーズ。124球を投げてつかんだ6勝目、今季初完封にエースは「最高です!きょうは完投、完封できたことが一番。テンポよく、いい感じで投げられました」と白い歯をのぞかせた。

 終盤8回、代打・ハーパーの3球目に最速150キロを計測する余力残しの投球。最大の危機は9回だ。下園の二直を東出が失策、石川に三遊間を破られて無死一、二塁。「9回を投げるのが久々だったので、心臓バクバクで緊張した。打者1人1人を打ち取ることだけを考えました」。金城を遊飛に斬ると、主砲村田は宝刀スライダーで一邪飛に。緩急を自在に操って散発3安打に抑え、終わってみれば三塁を踏ませぬ圧巻の内容だった。

 先ごろ開かれた世界水泳、男子背泳ぎのメダリスト・入江陵介から刺激を受けた。新春、テレビ局主催の表彰式で知り合い、前田健自身に水泳経験があったことで仲良くなった。21歳が100メートル背泳ぎで銅に輝いた際、祝福メールを送ったという。「年下なのに、世界で戦い、頑張っている。今年よくないので、ボクも負けないようにしないと」。有言実行だった。

 投打の歯車がかみ合って、5月30日以来の3位浮上。最大10あった借金は3にまで減った。「きょうはマエケンデー。試合をつくりながら、なかなか結果が出なかったけど、きょうは力を十分発揮してくれた」と野村監督。エースの今季初完封勝利に、指揮官は逆襲への手応えを感じ取っていた。

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2011年8月3日のニュース